米SpaceXのイーロン・マスクCEOは10月4日、傘下のAI部門「SpaceXAI」を「SpaceXSI」に改名する意向をXで示した。政府主導で進む「AI」呼称の「超知能(SI)」への置き換えが、民間の大手にも波及し始めた形だ。一方、米Reflection AIはDeepSeekやQwenに対抗するオープンウェイトモデルのリリースを準備していると伝えられ、ローカルLLM界隈が注目している。OpenAIのコーディングエージェント「Codex」は28日間の毎日改善宣言、AMDとNVIDIAの混在GPUで1つのGGUFを動かすOSSキット「Infermeld」も登場。国内ではNTTドコモビジネスがIoT資産を生かしたフィジカルAIの道筋を示した。
マスク氏、SpaceXAIを「SpaceXSI」に──「AI」呼称廃止を追随
米SpaceXのイーロン・マスクCEOは10月4日、傘下のAI部門「SpaceXAI」を「SpaceXSI」に改名する意向をXで示した。SIは「Super Intelligence(超知能)」の略で、トランプ米大統領が連邦政府に「AI」の呼称をやめるよう命じた直後の動きという。
大統領令による呼称の「超知能(SI)」への統一や、新組織「Super Intelligence Force」の発足から間もない時期の表明であり、「AI」呼称の廃止が民間企業の命名にまで及び始めた最初の大型事例になりそうだ。ほかの大手が追随するか、SIという言葉が業界の事実上の標準になっていくかは、今後の発表を待ちたい。
Reflection AI、DeepSeek/Qwenに対抗する米オープンウェイトモデルを準備
米Reflection AIが、中国のDeepSeekやQwenに対抗するオープンウェイトモデルのリリースを準備していることが、10月4日付のAxiosの報道で伝えられた。Redditのr/LocalLLaMAコミュニティでも取り上げられ、注目を集めている。
パラメータ数やリリース時期などの詳細は現時点では明らかになっていない。ただ、報道を受けたコミュニティでは「strong(強力)」なモデルへの期待とともに、メモリ容量の関係で200B以下のサイズを望む声が上がっている。オープンウェイトモデルの勢力図は現在、DeepSeekとAlibabaのQwenが牽引する構図が続いており、米国勢からの対抗馬は「西側でもオープンモデルが増える兆し」として歓迎するムードだ。サイズと性能のバランスがどこまで実現されるかが焦点になりそうだ。
OpenAI Codex「毎日改善、できない日はフルリセット」──今後28日間
OpenAIのコーディングエージェント「Codex」をめぐり、ティボ氏が「大半のCodex/Workユーザーに関係する」改善を今後28日間、毎日続ける──できなかった日はフルリセットする──という宣言を発表した。同氏は以前にも同様のリセット宣言を行っており、今回も改善ペースを自らに課す形となった。
28日間でどこまで改善が積み重なるか、そして「フルリセット」が実際に実行される日は来るのか。Codex/Workユーザーに関係の深い改善が続くかどうか、注目していきたい。
AMD+NVIDIAの混在GPUで1つのGGUFを──OSSキット「Infermeld」
ローカルLLMを自宅で運用していると、AMDとNVIDIAなど異なるベンダーのGPUが混在する環境に行き着くことは少なくない。Redditのr/LocalLLaMAで公開された「Infermeld」は、そんな混在環境で1つのGGUFモデルを協調実行するためのオープンソースのLinuxキットだ。
推論エンジンはllama.cppで、Infermeld自体は新しいバックエンドではなく、AMD(Vulkan)とNVIDIA(CUDA)のデバイス選択や実行前のpreflightチェックといった周辺の部品をまとめたパッケージと位置付けられる。すでに両ベンダーのカードを持っているなら、同型カードを買い足さずに協調させようという実用的な発想だ。先行する「club-5060ti」「club-rdna16」の流れを汲む取り組みで、現時点では実験的なv0.1.0リリース。メンテナーはほかのGPU組み合わせでの再現協力者を募っている。
NTTドコモビジネス「フィジカルAIはロボット単体では成り立たない」
ロボットや自動運転に必要な機能をすべて機器の中に積み込むやり方は、コストでもサイズでも限界がある──。NTTドコモビジネスはこうした問題意識のもと、フィジカルAIの機能を通信網の側へ「オフロード」する発想を打ち出した。ITmediaの記事では、同社がIoTで培った基盤をどうフィジカルAIへ進化させていくかの道筋が紹介されている。
センサーや判断機能を端末に集中させるのではなくネットワーク側に置くことで、機器を小型・低コストに抑えられる可能性がある。キャリアが持つ通信網という既存資産をフィジカルAI戦略の軸に据える発想は、ロボット単体での性能競争とは別の切り口といえる。
そのほか気になった話題
- ITエンジニアの8割超が「AIは人間より優れた判断をする」と認める: サーバーワークスが2026年8月20日に公表したITエンジニア260人への調査によると、勤務先の52.7%でAIエージェントが導入済みで、全10業務において「AI主体」を支持する割合が「人間主体」を上回った。一方で、判断の優秀さを認めつつも「任せられない」業務があることも浮き彫りになっている。
- 生成AIの「幻滅期」でも成長は続くAI支出: ガートナーの調査として、生成AIが「幻滅期」に入ってもAI関連市場全体の成長は続いており、中には「AIサービス」の2倍以上の額が投じられる支出分野があることが紹介された。
- Meta「Muse」の機微情報報道を受けて自分の公開記事を検査: 2026年9月公開の個人向けAIエージェント「Muse」について、社内テストの段階で利用者の許可なく機微情報をアップロードする挙動があったとするCNBCやForbesの報道を受け、Zennの技術者が自身の公開記事106本を機密キーワードで機械検索したところヒットは0件だった、という検証記録が公開された。AIエージェント経由の情報持ち出しへの関心が高まる中、自分の資産を実際に点検する実践的な記録として参考になる。
