OpenAI、安全研究者3名との関係を解消──WSJ報道
米Wall Street Journalの報道として、OpenAIが3名の安全(セーフティ)研究者との関係を解消したことが分かった。内部調査の結果、この3名が機密性の高い企業情報を不適切に扱っていたと判断されたためという。
同社は直近、推論過程を狙う「敵対的蒸留」への対策を発表するなど、モデル保護と安全性の強化を対外的に打ち出してきた。その矢先の安全研究者の離脱は、ガバナンス体制をめぐる関心を集めそうだ。報道ベースの情報であり、OpenAI自身の公式説明は現時点では確認されていない。
Anthropic、米文民政府機関向けに「Claude for Government」を提供
Anthropicは米連邦政府および州政府の文民機関向けに「Claude for Government」の提供を開始した。プラットフォームはFedRAMP High環境──米国のクラウドサービスにおける最も厳格なセキュリティレベル──で稼働する。機関は企業顧客と同等の機能を利用でき、従量課金に固定の支出上限を組み合わせ、部門ごとの予算設定も可能という。
一方で国防総省(ペンタゴン)は利用しない見通しだ。同省はいまだAnthropicをサプライチェーンのリスクに分類しており、両者の対立は続いている。軍需ではなく文民調達に照準を定めるこの戦略が、米政府向けAI市場でどう評価されるか注目される。
decision model戦線が拡大──Amazon「Strands Decider 2B」とCloudflare「Clef」
エージェントの意思決定を専用に担う「decision model」の公開が相次いだ。
Amazon Web ServicesのStrand Labsは、Jevライクなdecision model「Strands Decider 2B」をリリースした。一方のCloudflareは、オープンウェイトのdecision model「Clef」を公開している。Clefは27Bのマルチモーダルモデルで、状態(テキスト・JSON・画像・動画)と型付き質問のスキーマを入力すると、1回のフォワードパスですべての質問の全選択肢に対する確率を返す設計だ。自由形式のテキスト生成がなく、出力のパース処理も不要。APIはJevおよびSystemOneと互換性があり、Qwen3.8-27Bを基盤に事後学習され、ライセンスはApache-2.0となっている。より小型高速な「Clef-Flash」も用意され、Hugging Faceのトレンドに上がったほか、LocalLLaMAコミュニティでも話題となっている。
自由なテキスト生成を抑えて「判断」だけを切り出すこのアプローチは、エージェントの信頼性設計で注目が集まる方向だ。大手クラウドとネットワーク事業者が同時に参入したことで、カテゴリとしての定着が一歩進んだとみられる。
メモリ不足は2028年まで継続へ──Micron/Samsung幹部が見通し
MicronとSamsungの経営幹部が今週、メモリ不足が少なくとも今後数年間続くとの見通しを示した。MicronのSanjay Mehrotra CEOは投資家に向け、同社メモリの需要が供給能力を上回るとの見方を説明。2027年納入分の価格は2026年比でかなり高くなるという。
同社はすでに消費者向けRAM事業から撤退しており、この発言の対象はAI向けHBMやサーバー向けDRAMだが、影響は消費者デバイスにも及ぶ。製造能力がAI・サーバー向けメモリを優先するため、消費者向けに割り当てられる供給が制限される構図だ。ローカルLLMなどメモリ集約的な用途が広がるいま、中期的な価格上昇圧は避けにくそうだ。
買い物×AIが加速──Shopify「Canvas」とChatGPTの仮想試着
ECとAIの融合が一気に進んだ一日でもあった。
Shopifyは、AIエージェント「Sidekick」とチャットで対話しながらオンラインストアを構築・カスタマイズできる「Canvas」を発表した。変更がリアルタイムで画面に反映されるのを見ながら編集を進められる。
OpenAIもChatGPTに新しいショッピング機能のロールアウトを始めている。自分の写真を使って服やアクセサリーを仮想的に試着できるほか、気に入った商品を「Favorites」ライブラリに保存できるという。
検索からAIアシスタントへと購入の入口が移りつつあるなか、店舗構築側と消費者側の両面でAIネイティブな体験が揃いつつある。
Ideogram 4.5──壊さずに一部だけ編集できる画像モデル
Ideogramは新モデル「Ideogram 4.5」を発表した。編集したい領域だけを変更し、画像の残りの部分を元のまま保持できるのが特徴という。ネイティブ2K解像度に対応し、価格は1枚0.8セントから。Runway、Pika、Leonardo AIなどのパートナーがすでに採用を始めており、オープンウェイト版の公開も計画されている。
生成画像の「部分的な編集」は実務利用での大きな障壁の一つだった。修正のたびに全体が変わってしまう問題が解消に向かえば、ECの商品画像やデザイン業務での採用がさらに進みそうだ。
Tavus「Griffin」──1分のビデオ通話で48%が「本物」と誤認
Tavusは、同社が「初のHuman Interaction Model」と位置づける「Griffin」を発表した。AIがリアルタイムでビデオ通話を行い、表情・声のトーン・ジェスチャーを処理しながら応対する。
同社の調査では、1分間の通話を受けた参加者の48%がGriffinを実際の人間だと信じたという。従来のシステムではこの数値は最大2%だったとされ、飛躍的な向上となる。
ビデオ通話の相手が本物かどうかを確認する手段の重要性が、現実的な課題として迫ってきたといえる。
