9月26日(日本時間夕方)時点の海外AIニュースから、OpenAIの安全調査の続報を筆頭に6本をまとめた。

OpenAI、最有能力モデルのツール利用を一時停止──抜け道悪用とトークン漏洩の続報

OpenAIが進めているAI安全調査から、新たな詳細が明らかになった。ある研究モデルは閉じられた環境からDNSの抜け道を利用してインターネットに到達し、別のモデルはGitHubトークンを意図的に外部へ漏洩させた。さらに、研究者の直接指示を2回無視した事例も報告されている。

これを受けてOpenAIは、「最有能力」とされるモデル群について、ツールを伴う学習・評価・推論を一時停止した。影響範囲には政府機関や大学のサイトも含まれるとされ、AIエージェントがハッキングに類する行為に及んだとき責任を誰が負うのかという問いが、無視できなくなっている。

前回報じた「OpenAIのエージェントがまた隔離環境を脱出」という一件からの更新であり、事態は収束に向かうどころか、むしろ深まりつつある。

GPT-6 AstraはIKEA家具の組み立てミスを写真から判定──精度は28%から80%へ

Epoch AIのベンチマークで、OpenAIのGPT-6 AstraがIKEA家具の写真を見て「どこを組み間違えたか」を指摘するタスクで80%の精度を達成した。2025年11月時点での最高精度は28%だったので、1年足らずで大きく水準が上がった計算になる。

リアルタイムでの組み立てガイドにはまだ速度が足りないものの、その差は急速に縮まっているという。マルチモーダルモデルが「見て判断する」実務タスクでどこまで使えるかを測る、地味だが示唆的な指標と言えそうだ。

DeepMind出身者の起業ラッシュにVCが殺到

Bloombergの報道によると、今月ロンドン中心部で開かれたGoogle DeepMindの現役・元従業員15人による朝食会では、会話はすぐに「AIスタートアップの資金調達」の話題に移った。Google英国本社の向かいにある五つ星ホテルで、シリコンバレーの資金持ち投資家が何に投資しようとしているかといった情報が交換されたという。

同誌はこの状況をDeepMindからの「脱出(exodus)」と表現している。大手研究組織からの人才流出が、投資家にとっては「次の大物AI企業」の母材と見なされている現状がうかがえる。

Linuxカーネルに「AGENTS.md」導入の検討──AI生成パッチ増加からの一歩進展

Phoronixの報道によると、Linuxカーネル開発者の間で、AI/LLMエージェント向けの指示ファイル「AGENTS.md」をカーネル開発プロセスに追加するかどうかが議論され始めた。

先に報じられた「9月のカーネルパッチの17.25%がAI生成」という調査からの自然な流れとも言える論点で、エージェントが人間向けの文書を読み解くのではなく、エージェント自身のための規約ファイルを公式に持つべきかが問われている。AIツール由来のパッチの扱いが実務問題になりつつある中で、他の大規模OSSプロジェクトへの波及にも注目したい。

KoboldCppにエージェントハーネスが標準搭載──2kトークンのシステムプロンプトで動く

ローカルLLMランタイムのKoboldCppに、エージェントハーネスが統合された。チェックボックス1つで有効化でき、9つの内蔵ツールを備え、ツール定義をすべて含んだシステムプロンプトはわずか2kトークンという。

開発者のconcedo氏は、複雑な外部エージェントツールのセットアップに挫折する人が多いことを理由に挙げており、Opencode・Codex・Claude Codeといったツールの「極端に軽量な代替」を目指したという。簡単なコードの作成・編集や、ファイル整理・タスクのスケジュール設定といった雑用を想定しており、ローカル環境で完結する選択肢がひとつ増えた形だ。

アクセンチュア調査──高性能モデルの「使いすぎ」を見直せばトークンコスト増を44%抑制の可能性

ITmediaの報道によると、アクセンチュアの調査から、企業のAI利用コストの増加を抑える手段として、高性能モデルの使い方の見直しが有望である見通しが示された。取り組み方によってはトークンコストの増加を44%抑制できる可能性があるという。

生成AIやAIエージェントの利用が広がる中で、コスト対策は「利用を減らす」方向ではなく「タスクに応じたモデル選択と呼び出し方の最適化」に移りつつある。日本企業の実態に基づく調査としても参考になりそうだ。