ai-sageが公開したGigaChat-3.5-Reasoningは、総432B・アクティブ28BのMoEモデルで、MITライセンスの下にHugging Faceで重みが公開された。評価ではDeepSeek V4 Flash Previewに近い性能に達しながら、推論過程のトークン消費を37%抑えるとされる。企業側の動きでは、NvidiaとPalantirがサプライチェーンのAI運用で提携し、最初の適用先にNvidia自身の100万部品規模の調達を挙げた。今週明らかになったiOS 27の新Siriの詳細や、Clearview AIが警察向けにテストする新プロトタイプの実態、AI生成コードの脆弱性を減らすOSSの取り組みまで、今日集まった話題を整理する。

GigaChat-3.5-Reasoning──432B MoEをMITライセンスで公開

ai-sageがGigaChat-3.5 Reasoningをリリースした。総パラメータ432B、1トークンあたりのアクティブパラメータ28BのMoE(Mixture of Experts)構成で、長文脈の効率向上を狙いGated DeltaNetを採用する。

訓練手法も特徴的だ。まずコード・数学・汎用といったドメイン別のエキスパートモデルをCISPOで訓練し、それらをon-policy蒸留で単一モデルへ統合したという。ドメイン特化の利点を保ちながら、運用時には1つのモデルで済ませる設計だ。

開発チームの評価では、統合後のモデルはDeepSeek V4 Flash Previewに近い水準に到達しつつ、推論トレース(reasoning trace)のトークン数を37%削減した。思考過程が長くなりがちな推論系モデルにとって、トークン消費の削減はコストと応答速度に直接効く。重みはHugging FaceでMITライセンスにより公開されており、giga.chatのreasoningタブでも試せる。

前回の続き──DeepSeek V4.1-Flashの「アーキテクチャ」を巡る考察

正式リリースされたばかりのDeepSeek V4.1 Flashだが、コミュニティではモデルの中身だけでなく、推論アーキテクチャ側への関心も広がっている。

LocalLLaMAに投稿された考察では、エンコーダとデコーダを分離する設計を「単なる効率改善」ではなく「推論アーキテクチャの躍進」と評価し、GPUプーリングへの含意を指摘する声が注目を集めた。すべてのGPUを同質に扱うのではなく、prefill(プロンプト処理)特化のGPUとdecode(生成)特化のGPUを分けて構成できるという。さらに、新しいGPUをprefillに、以前のHBM搭載カードをdecodeに充てる異種混在構成もありうるとされる。

投稿者自身は「4.1 Flashは自分の4×MI50+2×V620構成では動かない」とした上で、Qwenがこの設計を採用したフラッシュ級モデルを出せれば待望だ、と期待を述べている。ローエンド〜中古GPUの活かし方という観点からも、続きが気になる議論だ。

NvidiaとPalantir、サプライチェーンAIで提携

NvidiaとPalantirが、サプライチェーンをAIで運用する取り組みで協業する。最初の適用先は、Nvidia自身が抱える100万部品規模の調達・供給網となる。

GPU需要が逼迫し、供給能力そのものが競争力を左右する今、自社のサプライチェーンを最適化する意味は小さくない。現時点では発表段階の情報が中心で、具体的な技術的中身と実際の効果は今後の展開を待ちたい。

iOS 27の新Siri──全面刷新の中身が詳報に

今週の折りたたみiPhone発表で触れられた、全面刷新されたSiriについてWIREDが新機能の詳細をまとめた。iOS 27の登場とともに、iPhoneのアシスタントが大きく様変わりする。

日本語対応は、先の発表時と同様に10月からの展開とみられる。各機能が日本語環境でどこまで使えるかを含め、実際の提供内容は手元で確認できてから判断したい。

Clearview AIの「InquiryIQ」──顔認識の先を掘る捜査ツール

WIREDの調査報道により、Clearview AIが「InquiryIQ」という、これまで報じられていなかったプロトタイプをテストしていたことが明らかになった。Clearviewの顔認識で特定した人物を起点に、関連人物やソーシャルアカウントなど、ネット上の活動を掘り起こすツールとされる。

内部テストではxAI(Grok開発元)のモデルが使われていたという。顔認識そのものへの批判は既に根強いが、そこから人物の関係性まで自動で広げるとなると、捜査機関の使い方とプライバシーの境界をめぐる議論がさらに必要になりそうだ。

Security Cards──AI生成コードの脆弱性を最大72%減らす

AIコーディングエージェントは「動くが危険なコード」を生成することがある。この問題に対し、Reware Labsは80以上の主要ライブラリ・13言語に対応したターゲット特化型のセキュリティガイダンス「Security Cards」をオープンソースで公開した。

評価では、Claude Code+Opus 4.7の組み合わせで、脆弱なコードの生成率が最大72.3%低下したという。ライブラリごとの具体的な安全ガイドラインをエージェントに与えるアプローチで、対応言語・ライブラリは今後拡大予定。どのワークフローに組み込むと効果的か、次に対応すべきライブラリと合わせてフィードバックを募っている。


大規模オープンモデルの公開、推論アーキテクチャの再設計、エンタープライズでの実戦投入、監視ツールの境界線。今日の話題は、AIの関心が「モデルの性能」から「運用の仕組み」へ移りつつある様子を映しているように見える。