8月6日に収集された海外AIニュースからは、資金調達、データセンター投資、物理AI、コンテンツ生成、モデル性能、そして開発現場の反応まで幅広い動きが見られました。とくに注目は、DeepSeekの大規模な資金調達の再開と、UAEから日本への巨額データセンター投資の報道です。

DeepSeek が資金調達ラウンドを再開、評価額は約740億ドル規模に

報道によると、杭州を拠点とするAIスタートアップDeepSeekが、約80億ドル(約1兆2千億円)を目標とする第2回資金調達ラウンドを再開しました。投資会社Monolith Managementが参加を検討していると伝えられています。評価額は約5千億元(約740億ドル)に近い水準とみられます。

同社は前月、創業者の発言が投資家に漏洩したことへの不満から調達プロセスを一時停止していました。今回はその再開とみられます。オープンな大規模モデルで世界的な注目を集めるDeepSeekの評価額が740億ドル規模に達すれば、中国のAI企業として屈指の規模となります。ただし関係者の情報として伝えられており、公式な発表は現時点では確認されていません。

UAE系ファンドが秋田県に63億ドルのAIデータセンターを検討

日本にも大型の対外投資の報道が届いています。UAE(アラブ首長国連邦)の政府系ファンド、ムバダラ投資会社が主導し、秋田県に最大で1兆円(約63億ドル)規模のAIデータセンター建設を検討していると報じられました。出力500メガワット規模の案件で、国内外の他の投資家も参加する可能性があるとされています。

半導体や電力の制約が議論されるなか、日本北東部の立地と再生可能エネルギーの潜在力が改めて注目を集めそうです。ただし現時点では情報は限られており、計画の確定や時期は不明とされています。

NVIDIAが物理AI向けオープンモデル「Cosmos 3」を発表

NVIDIAは、ロボットや自動運転、ビジョンAIといった「物理AI」向けのオープンなファウンデーションモデル「Cosmos 3」を発表しました。Mixture-of-Transformersと呼ぶ構造を採用し、視覚推論・世界生成・行動予測を一つのモデル群でこなせるのが特徴です。高性能向けのSuper(64B)、効率的な推論向けのNano(16B)、エッジやロボット搭載向けのEdge(4B)が用意されています。

Linux FoundationのOpenMDW 1.1ライセンスで提供され、各社が自社データで再学習できる点が強みとされています。複数のベンチマークでオープンモデルとして1位を獲得したと伝えています。NVIDIAはこのCosmosを、ロボット向け「Isaac GR00T」、自動運転向け「Alpamayo」、ビジョンAI向け「Metropolis」と統合する構えで、日本のロボティクス・製造業向けにパートナー連合「Cosmos Coalition」を拡大するとしています。

AIが中国の新作マイクロドラマの95%超を生成

コンテンツ制作の現場でもAI化が急速に進んでいます。2026年第1四半期、中国の新作マイクロドラマ(縦型ショート動画ドラマ)の95%超がAIによって生成されたとの報道がありました。急成長したマイクロドラマ市場で、脚本や映像生成をAIが担う割合が産業規模で先行している実態が浮かび上がっています。

一方で、俳優の仕事への影響や、大量生産されるコンテンツの品質に対する懸念も指摘されています。

中国製LLMがフロンティアに肉薄、コスト効率ではKimi K3が優位

モデル性能の面でも中国勢の存在感が続いています。Alibabaの「Qwen3.8 Max」は、Artificial Analysisの知能指数で56点を記録し、前世代から10点上昇。Anthropicの「Claude Opus 4.8」に並ぶ水準に達したと伝えられています。一方で、Moonshotの「Kimi K3」は約25%低いコストでさらに高いスコアを残しており、純粋な性能だけでなくコスト効率を巡る競争が激化している様子がうかがえます。

Sunoが楽曲のウォーターマーク導入へ、相次ぐ著作権訴訟に対応

音楽生成AIのSunoは、生成した楽曲にウォーターマーク(透かし)を付ける機能の導入を始めると表明しました。同社はレコード業界などから複数の著作権訴訟に直面しており、生成物の出所を示す技術で法的要求に応じる姿勢を示しています。生成コンテンツの「出所証明」は他のAIツールでも標準化の方向にあり、業界全体の動向として注目されます。

開発者コミュニティの動き: AI生成コードの扱いとローカルLLMの落とし穴

OSS開発の現場では、AIが生成したパッチの扱いを巡る議論が続いています。Linuxのワイヤレス(WiFi)サブシステムのメンテナーは、AI生成の低品質なパッチ(いわゆる「slop」)を明確に拒否する厳格な方針を打ち出しました。

ローカルLLMの利用者向けには、Gemma 4周辺で注意すべき報告が出ています。サードパーティの量子化版(Unsloth製など)で、新しいllama.cppのビルド上でマルチモーダル機能(画像・音声認識)が壊れ、無意味なトークンが出力される問題が報告されています。公式のGGUFに切り替えることで復旧したとのことです。さらに実用的な話題として、LLMにメール件名を書かせるとGmailのスレッド表示が壊れるという開発者ブログの指摘も話題を呼んでいます。