OpenAI、GPT-5.6でARC-AGI-3スコアを3倍に向上

OpenAIは7月29日、GPT-5.6のAPI設定を2つ調整するだけでARC-AGI-3ベンチマークのスコアが3倍に向上したと発表しました。鍵となったのは「推論の保持(reasoning retention)」と「圧縮の有効化(compaction)」の2つの設定です。

ARC-AGI-3は、抽象的な推論パターンを問う難易度の高いベンチマークで、AIモデルの汎化能力を測る指標として注目されています。今回の改善により、スコアと効率の両方が大幅に向上したとのことです。モデルそのものを変更せず、APIの設定調整だけでこれほどの改善が得られたことは、運用面の最適化がいまだ大きな余地を残していることを示唆しています。

Meta決算:Zuckerberg氏「5年以内に数十億人がAIエージェントを持つ」

Metaは7月29日に第2四半期決算を発表しました。決算発表のなかでMark Zuckerberg CEOは、5年以内に数十億人がパーソナルAIエージェントを持つようになると予測しました。同社はAIインフラとエージェントに数十億ドルを投じており、Zuckerberg氏は投資家に対してその見返りがあると説得を続けています。

Zuckerberg氏はまた、Metaの企業向けAI機会はエージェントにとどまらず、API、コンピュート、社内ソフトウェアまで広がると語りました。一方で、AIへの巨額投資に対する投資家の不満が広がっており、決算発表後にMeta株は下落しました。BBCは「AI支出計画に対するフラストレーションが高まっている」と報じています。

Microsoft:Anthropic投資で32億ドル利益、OpenAIは「複雑な結果」

Microsoftが2026会計年度第4四半期決算のなかで、AI分野への投資収益を興味深い形で開示しました。Anthropicへの投資から32億ドルの利益を計上した一方で、OpenAIへの投資は「良い面も悪い面もある複雑な結果(mixed bag)」だったとしています。

Microsoftはまた、データセンター巨头のなかで唯一、AI関連の資本支出(capex)を据え置いた企業となりました。競合各社が軒並みAI投資を拡大するなかで、Microsoftの姿勢は異例です。同時に、GCCコンパイラプロジェクトがAI/LLMによる重要なコントリビューションを原則受け付けない方針を示すなど、AIの影響に対する業界の反応は分かれています。

ChatGPTがEU「超大型プラットフォーム」に指定される見込み

Bloombergの報道によると、OpenAIのChatGPTとRobloxは、EU(欧州連合)内で月間4500万人を超えるユーザーを持ったことで、デジタルサービス法(DSA)に基づく「超大型オンラインプラットフォーム(VLOP)」に指定される見込みです。8月にも正式に指定されるとのことです。

この指定により、ChatGPTはより厳格なコンテンツモデレーション要件や監視義務、透明性報告の義務を負うことになります。AIチャットサービスがDSAの対象となることは、生成AIがプラットフォームとしての社会的影響力を持つようになったことを示す重要な節目と言えます。

AnthropicのMythosが暗号技術の未知の弱点を発見

Anthropicは、自社のAIセキュリティモデル「Mythos」を使って、広く使われている暗号アルゴリズムの数学的基盤にこれまで知られていなかった弱点を発見したと発表しました。Ars Technicaの報道によると、現時点では既存の暗号システムを直接的に破壊するものではなく、暗号解読に必要な計算量を「中程度に削減」する手法を見つけた段階です。

一方で、Anthropicの発表には誇張が含まれている可能性も指摘されており、成果の評価には慎重な検証が必要とみられます。それでも、AIが暗号解析に新たなアプローチをもたらしたことは、将来的なセキュリティリスクの前触れとして注目に値します。

Lilian Weng氏、Thinking Machinesを退社してOpenAIに復帰

Thinking Machines Labの共同創設者であるLilian Weng氏が、健康上の理由で同社を退社した後、OpenAIに復帰したことが明らかになりました。Weng氏は以前、OpenAIでAI Safety ResearchのVPを務めていた人物です。

AI業界の有力研究者の動向は、各社の研究方針や組織の方向性を占う上で重要なシグナルとなります。Thinking MachinesはMira Murati氏(元OpenAI CTO)が設立したスタートアップで、Weng氏の離脱は同社にとって大きな影響とみられます。

その他の動向

  • 半導体株が1兆ドル規模の売り込み: SK Hynix、Samsung、SoftBankなどAI関連のチップ株が急落。AI投資熱の冷やし効果が出始めている可能性があります。
  • AIスタートアップの論文発表が激減: Science誌の報道によると、トップクラスのAIスタートアップは研究論文の発表を大幅に減らしており、オープンサイエンスの原則との緊張が高まっています。
  • AIセキュリティリーダーボード: FAR.AIが、AIモデルのサイバーセキュリティ安全性とCBRN(化学・生物・放射性・核)対策を比較するリーダーボードを公開しました。GPT-5.6 SolやFable 5が最も堅牢という結果でした。
  • Kimi K3(2.8Tパラメータ)のGGUF量子化: LocalLLaMAコミュニティで、Kimi K3をQ3_K_S量子化(1.1TB)でCPU上で実行する実験が報告されました。