GoogleがGemini効率化のための新しいAIチップを開発
AlphabetがGeminiモデルをより効率的に動作させるための新しいAIチップを開発していることが報じられた。既存のTPUシリーズとは別に、Geminiの推論・学習ワークロードに特化した設計を目指しているとみられる。モデルアーキテクチャとシリコンを垂直統合する動きは、NVIDIA依存を減らす戦略としてGoogleに限らず広がっている。詳細はまだ限定的で、製造プロセスやリリース時期については今後の追加情報を待ちたい。
AMDとMicrosoftが「Helios」ラックスケールで提携拡大
AMDはMicrosoftとの戦略的提携を拡大すると発表した。Microsoftはクラウドサービス「Azure」に、GPUとCPUを一体化したAMDのラックスケール製品「AMD Helios」を大規模に導入し、フロンティアAIモデルの推論処理などに活用する。Heliosは2026年後半から出荷が開始される予定で、データセンター全体の設計単位を「ラックスケール」へ移行することで電力効率とデプロイ速度を改善する狙いがある。NVIDIA中心のエコシステムに対する対抗軸が明確になりつつある。
RampがAIモデルルータを公開、NaturalはAIエージェント決済で3000万ドル調達
企業向けのAIインフラレイヤが急速に整備されつつある。Rampは社内で開発したAIモデルルータを公開し、タスクごとに最適なLLMを選択することで内部のコストを30%削減したと報告した。プロンプトの複雑さやレイテンシ要件に応じてモデルを切り替える仕組みで、高価なフロンティアモデルの濫用を防ぐ狙いがある。
一方、NaturalはAIエージェントが自律的に決済を行うためのインフラを構築すべく3000万ドル(約44億円)を調達した。クレジットカードネットワークが想定していない「ソフトウェア主体の支払い」を扱う領域で、Stripeを含む既存の決済プラットフォームに直接挑戦する構えを見せている。AIエージェントが「購入」という行動を実行する際の信頼・認証・コスト制御をどう設計するかは、今後のアジャイルなプロダクト開発の鍵になりそうだ。
Colibrìが1.5TBモデルを実証、Bonsai極限量子化は精度の壁も
ローカル環境で超大規模モデルを動かす取り組みで2つの対照的な結果が報告された。
Colibrìは proof-of-concept ながら、1.5TBのパラメータを持つフロンティア級モデルをわずか25GBのRAMで実行できる新しいアプローチを公開した。完全な精度評価はこれからだが、ハードウェアの制約が厳しい環境でも巨大モデルの推論が現実味を帯びてきたことを示す象徴的な事例と言える。
一方、Redditのr/LocalLLaMAで投稿されたベンチマーク検証では、1-bitおよび2-bitに極限まで量子化された「Bonsai-27B」をTerminal-Bench 2.0で評価した結果、Ternary-Bonsai-27B(2-bit)は7.9%のスコアにとどまった。同じ8GB VRAMに収まるQwen3.5-9B(9.2%)やQwen3.6-35B-A3B(24.3%)と比較すると精度面で見劣りし、パラメータ量の大きさがそのまま性能には直結しないことが改めて確認された。メモリ占有の小ささやツール呼び出しの安定性は評価できるものの、実用ワークロードでの優位性はまだ立証できていない。
AI音声フィッシングが人間並みの性能に、Fred Heidingらが検証
Fred Heiding氏らによるSubstack記事で、AI音声フィッシングが人間の詐欺師とほぼ同等の成功率を記録しつつ、コストは人間の何分の一かで済むという検証結果が報告された。音声クローン技術の品質向上により、標的を絞った攻撃がかつてない規模で量産できる状態になっているという。企业の対策としては、社内プロセスで「声だけで承認しない」ルールの徹底や、多要素認証の併用が現実的な防御線として挙げられている。生成AIの悪用は早くも詐欺の経済構造そのものを変えつつある。
中外製薬が「社員1人にAIエージェント10体」戦略、国産AI成功組の共通点も
日本企業のAI実用化にも新しい動きが出ている。中外製薬は2030年に研究開発の成果を倍増する目標を掲げ、その手段として「社員1人あたりAIエージェント10体」を割り当てる運用を進めている。同社は製薬業界特有の長期・高コストな研究プロセスを再設計する足場としてAIエージェントを位置づけており、初期費用は大きくても中長期でのリターンを見込む姿勢を示している。
またITmediaの記事では、NTT・ソフトバンク・サカナAIなど国内でAI開発に成功した企業群に「ある共通点」があると指摘された。具体的には既存の強みとなるドメイン知識をAIに組み合わせる戦略と、データ基盤の整備を先行させた点が挙げられている。一方で製造業の多くがPoC段階で止まっているという別の調査もあり、「AIに期待する」が65%、「明確な成果が出ている」は16%という乖離は依然として大きい。