AIが依存する天気データ、改ざんの標的になる
MIT Technology Reviewは、天気予報データの改ざんリスクが高まっていると警告した。航空会社のディスパッチャー、送電網オペレーター、農家などは毎朝天気予報を基に重要な意思決定を行っている。しかし、AI/MLを活用した予報システムが広がる中、予報データへの攻撃が現実の脅威になりつつある。
天気予報は一見すると「2秒見て終わり」の情報だが、農業では作物の品種選択、航空では運航計画、電力網では需要予測など、産業の要が依存している。悪意のあるアクターが観測データやモデルに入力されるデータを操作できれば、 economicな影響は甚大だ。
AIの予報精度向上が進むほど、データ供給チェーンの完全性確保が急務になっている。
サンフランシスコがAppleとGoogleにAI「ヌードify」アプリの削除を要求
サンフランシスコ市法務官事務所が、AppleとGoogleに対して停止命令書(cease-and-desist)を送付した。対象は、AIを使ったフェイスワップ技術で女性的画像を生成する13のアプリだ。
これらのアプリは「overwhelmingly used to target women and girls(圧倒的に女性や少女を狙う目的で使われている)」と指摘されている。アプリストアがこれらのアプリから利益を得ていることに対しても警告がなされた。
AIによるディープフェイク技術の悪用は、規制の追いつかない領域として長く問題視されてきた。今回の法的措置は、プラットフォーム事業者に対する責任追及の先駆けとなる可能性がある。
LongStraw — 固定GPU予算で200万トークン超の長文RLを実現
Hugging Face Daily Papersに掲載された「LongStraw」は、百万トークン規模のコンテキストで強化学習(RL)ポストトレーニングを行うための、アーキテクチャ対応実行スタックだ。
LongStrawの核心的な工夫は、共有プロンプトを自動微分なしで一度評価し、後続トークンに必要なモデル固有の状態のみを保持し、短い応答ブランチを一つずつ再生(replay)することだ。これにより、ライブトレーニンググラフを「プロンプト全体+応答」から「単一の応答ブランチ」に削減し、GPUメモリ使用量を大幅に抑える。
Qwen3.6-27B(ハイブリッド回帰+フルアテンション)とGLM-5.2(圧縮アテンションMoE)という異なるモデルファミリーで実装・検証されており、アプローチの汎用性が示されている。長文コンテキストのRLはGPUメモリの壁が高かったが、この手法は「追加の再生時間をGPUメモリ削減と引き換える」というトレードオフを提供する。
米中AI競争の新展開:中国モデル60%利用率と習近平の覇権宣言
2つのニュースが、米中のAI覇権争いの新しいフェーズを浮き彫りにした。
まず、Briefs.coの報道によると、米国企業のAI利用の60%が中国製モデルによって支えられているという。具体的な調査手法の詳細は不明だが、コストパフォーマンスと性能のバランスで中国製モデルが企業の実務利用を大きく牽引している実態が示された。
これと時を同じくして、習近平国家主席が中国のAI世界リーダー化を目指す目標を改めて掲げた(FT報道)。政策面でも技術面でも、中国のAI存在感は無視できない水準に達している。
米国側の輸出規制と中国側のオープンソース戦略が同時に進行する中、「どの国のモデルを使うか」という選択が、単なる技術選択を超えた意味を持ちはじめている。
「Schema」ハーネスがARC-AGI-3で99%を達成
Redditのr/MachineLearningで注目を集めている「Schema」は、Claude Opus 4.8とFable 5を組み合わせてARC-AGI-3公開セットで99%を達成したと主張する新しいハーネスだ。GPT-5.6 Solを使用した場合でも95.35%に達したという。
興味深いのは、Schemaがモデルの重みを一切変更せず、「観測をゲームの作業モデルに変換する方法」「予測を相互作用履歴と照らし合わせてテストする方法」「計画を実行し修正する方法」というプロセス層を変更している点だ。
ベンチマークスコアが頭打ちになりつつある中で、モデル自体の能力よりも「どう運用するか」で性能が大きく変わるという示唆は、先日の「コンテキスト品質がエージェント信頼性を決める」という研究結果とも符合する。
QLoRAの学習率「2e-4」は小規模データでは間違っている
r/MachineLearningで実践的な知見が共有された。QLoRAのチュートリアルで広く推奨されている学習率2e-4は、元々Alpacaの52kサンプルに最適化された値であり、5〜10kサンプル規模のデータセットでは過学習を引き起こすという。
投稿者は、サンプル数が少ない場合、epoch 1の段階ですでに過学習が始まり、training lossは順調に下がる一方でeval lossは横ばいになる現象を指摘。2e-4という「魔法の数字」の由来を理解せずに適用することの危険性を警告している。
この議論は、機械学習コミュニティにおける「デフォルト値の盲信」という広範な問題を象徴している。論文やチュートリアルで推奨されたハイパーパラメータが、自分のデータ規模やタスクに適しているかを検証することが重要だ。