Thinking Machines Lab初のオープンモデル「Inkling」が登場

元OpenAIのMira Muratiが率いるThinking Machines Labが、同社初の公開モデル「Inkling」をリリースした。パラメータ数は975B(約9750億)で、テキスト・画像・音声を入力として受け付け、テキストを出力するマルチモーダルモデルである。オープンウェイトとして公開されており、開発者が自由に利用できる。

Inklingは、エージェントやツール使用、コーディングアシスタント、チャットボット、RAGシステムなど幅広い用途を想定して設計されている。Hugging Faceでもトレンドモデルとして上位にランクインしており、コミュニティの関心が高まっている。

同社は1年半にわたりAIインフラを非公開で構築してきたが、Inklingはその「最初の公開成果」と位置づけられている。AnthropicやOpenAIといった競合に対抗する存在として、今後の展開が注目される。

OpenAIが「GPT-Red」公開—LLMでLLMを攻撃する自動レッドチーミング

OpenAIは、自社モデルの安全性を高めるために構築した自動レッドチーミングLLM「GPT-Red」を公開した。GPT-Redは、サイバー攻撃の一種であるレッドチーミングを自動化し、他のモデルの脆弱性を発見・対処する「スパーリングパートナー」として機能する。

OpenAIによると、GPT-Redとの訓練を通じて先週リリースされたGPT-5.6は「過去最も堅牢なリリース」になったという。特にプロンプトインジェクション対策の強化が図られている。GPT-Redは自己対局(self-play)による自己改善メカニズムを備えており、継続的に攻撃パターンを学習・進化させることができる。

GPT-5.6 Solが30年の統計学予想を90分で反証

ペンシルベニア大学の統計学教授が、OpenAIのGPT-5.6 Sol Proを使用して、Benjamini-Hochberg法に関する30年間未解決だった予想を約90分で反証したと報告された。前任モデルのGPT-5.5は20時間かけても解決に至らなかったという。

この事例は、LLMが創造的な推論や数学的直感を要するタスクで実用的なレベルに達しつつあることを示している。ただし、結果の厳密な検証は今後の課題とみられる。

コスト重視で中国製AIモデルを選ぶ米国スタートアップ

NPRの報道によると、一部の米国スタートアップがコスト削減のため、米国製モデルではなく安価な中国製AIモデルへ移行し始めている。米国の主要AIモデルは開発・運用コストが高騰しており、特に初期段階のスタートアップにとっては負担が大きい。

中国製モデルは性能面でも急速に追い上げており、コストパフォーマンスの観点から魅力的な選択肢になりつつある。この動向は、AIインフラの地政学的な競争に新たな視点を加えるものとして注目される。

個人開発者がO(1)アテンション「Wave Field」を発表

RedditのLocalLLaマコミュニティで、個人研究者が標準のアテンション機構を置き換える新しいアーキテクチャ「Wave Field LLM」を発表した。FFT(高速フーリエ変換)を用いた波動畳み込みにより、推論時の計算量をトークンあたりO(1)——コンテキスト長に関わらず一定——に抑えることができるという。

128Kコンテキストでも標準アテンションがメモリ不足(OOM)になる環境で動作し、ノートPCのCPUで80+ tok/sを達成したと報告されている。現時点ではベース補完モデル(チャットモデルではない)であり、独立した検証が必要な段階だが、コミュニティで大きな話題を呼んでいる。