Anthropicが「Claude Sonnet 5」をリリース — Opusに迫る性能をSonnet価格で
Anthropicは2026年6月30日、新型モデル「Claude Sonnet 5」を発表した。コーディング、エージェント、プロフェッショナル業務のいずれにおいても前世代のSonnet 4.6を上回り、一部ベンチマークでは上位のOpus 4.8をも凌駕するスコアを記録した。具体的には、知識仕事を測るGDPval-AA v2テストで1,618点を叩き出し、Opus 4.8を僅差で上回ったという。
最大の特徴はエージェント能力の強化だ。ブラウザやターミナルといったツールを自律的に操作し、数ヶ月前ならより大型で高価なモデルが必要だったレベルのタスクをSonnet価格で実行できる。価格面でもOpusはもちろん、GPT-5.5やGemini Proよりも安く設定され、エージェント運用のコスト削減に貢献する構えだ。同日にAmazon BedrockおよびAWS上のClaude Platformでも利用が開始されている。
SonnetクラスのモデルはこれまでエージェントAIの時代を牽引してきた経緯があり(Sonnet 3.5、3.6、3.7がコーディングとツール使用で初めて実用的なレベルに到達)、今回のSonnet 5はその系譜における最新の成果と言える。
研究者向けワークベンチ「Claude Science」も同時リリース
AnthropicはSonnet 5と同日に、科学研究者向けのAIワークベンチ「Claude Science」も公開した。最大の特徴は、新しいモデルではなく「ワークフロー」に焦点を当てた点だ。データベース、パイプライン、各種ツールを行き来する研究者の負担を減らし、一つの環境で計算研究を完結できるように設計されている。
ゲノミクスや計算化学などの分野をカバーする60以上のプリコンフィグャードスキルが用意され、論文の引用や計算結果を自動検証するエージェントも搭載。ローカル環境はもちろん、HPCクラスタ上でも動作する。タンパク質構造予測などの生物学・化学タスクを自動化でき、研究の「退屈な部分」を削減することが期待されている。
Claude Scienceは現時点ではカスタマイズ可能なアプリとして提供され、研究者が日常的に使用するツールやパッケージを統合できる仕組みとなっている。
OpenAIが「GeneBench-Pro」を発表 — ゲノム・生物学分野のAIベンチマーク
OpenAIは同日、AIのゲノム解析・生物学・科学研究における性能を評価する新しいベンチマーク「GeneBench-Pro」を発表した。複雑な実世界データセットを使用し、AIモデルが実際の科学研究シーンでどれだけ有用かをテストする点が特徴だ。ケーススタディも公開されており、具体的な適用事例を通じてベンチマークの有用性を示している。
科学分野におけるAI応用の評価標準が整備されることは、モデル選択や研究プロセスへの組み込みを考える上で意義深い。AnthropicのClaude Scienceと時期を同じくして科学分野向けのツールが相次いで登場したことは、AI業界全体が科学研究領域に注力し始めていることを示唆している。
Googleが「Nano Banana 2 Lite」と「Gemini Omni Flash」をAPI追加
Googleは2つの新しい生成AIモデルをAPIに追加した。「Nano Banana 2 Lite」は4秒で画像を生成し、1枚あたり0.034ドルという低コストを実現する画像生成モデル。もう一方の「Gemini Omni Flash」は、テキストプロンプトによる動画生成・編集をAPI経由で初めて可能にした。
Googleは両モデルをチェーンさせることを推奨しており、簡単なテキスト入力から画像を生成し、さらにそこから動画を作成するといったワークフローが構築できる。画像生成の高速化・低コスト化は継続的なトレンドであり、クリエイターの制作プロセスに影響を与えそうだ。
OpenAIがゲストChatGPTの推論コストを半減 — The Information報道
The Informationの報道によると、OpenAIはAIモデルの推論コストを半分以上削減したという。最適化をChatGPTに適用した結果、必要なNVIDIA GPUの数が一時的に数百台規模まで減少したとされる。この動きは、AIモデルの実行コストが依然として主要な課題である中、効率化の余地がまだ大きいことを示している。
コスト削減はゲストユーザー(ログインなしの利用者)向けの対応として行われたとみられ、OpenAIが無料枠の維持・拡大に向けてインフラ効率を改善していることがうかがえる。