Gemini 3.5 Flashがコンピュータ操作機能を追加 ― エージェントの安全性にも注力

Google DeepMindは6月24日、Gemini 3.5 Flashにコンピュータ操作(computer use)機能を追加したことを発表しました。AIエージェントがユーザーのコンピュータ上で実際に操作を行う機能で、プロンプトインジェクション対策として敵対的訓練(adversarial training)を実施している点が特徴です。

また、企業向けに2つのオプション機能も提供されます。1つは機密操作や取り消し不可能な操作に対するユーザー確認を必須にする機能、もう1つは間接的なプロンプトインジェクションを検出した際にタスクを自動停止する機能です。Googleは「多層防御」アプローチを推奨しており、サンドボックス機能やヒューマンインザループ検証、厳格なアクセス制御との組み合わせを呼びかけています。

エージェント型AIの実用化が進む中で、セーフティを前面に打ち出したリリースといえます。

QualcommがAIソフトウェア企業Modularを約40億ドルで買収

Reutersの報道によると、QualcommがAIソフトウェア・スタートアップのModularを約40億ドルで買収する方針を明らかにしました。Modularは、AI/MLワークロードの実行環境を最適化する技術で知られており、AI推論のパフォーマンス向上に強みを持っています。

Qualcommはモバイル向けSoCの大手サプライヤーであり、今回の買収はAIソフトウェア層の強化を狙ったものとみられます。ハードウェアとソフトウェアの両面でAI競争力を高める意図があると言えそうです。

OpenAIとBroadcomが共同でLLM最適化推論チップを開発

OpenAIはBroadcomと協業して、LLM専用の推論チップを開発したことを発表しました。内部的には「Jalapeno」と呼ばれているこのチップは、以下の特徴を持っています。

  • 現行の最先端技術を大幅に上回るワットあたりのパフォーマンス
  • 現在および将来のLLMに対応するためゼロから設計
  • 設計から量産まで9ヶ月で完了(OpenAIの自社モデルを活用)
  • ギガワット規模でのデータセンター展開を計画

OpenAIはこれまでモデルとプロダクトを提供してきましたが、チップ層まで含めたフルスタックプラットフォームへと舵を切りつつあります。ただし、現時点では消費者向けではなくデータセンター向けとみられます。

SK Hynixが290億ドルの米国上場を目指す ― AI需要で半導体市場が活況

韓国のメモリ半導体大手SK Hynixが、米国市場でADR(米国預託証券)を通じて最大290億ドルを調達する方針を発表しました。AIブームによるHBM(高帯域メモリ)需要の急増が背景にあります。

SK HynixはNVIDIAをはじめとするAIチップサプライヤー向けの主要なHBM提供元であり、今回の上場は生産能力拡大や次世代技術への投資資金を調達する目的と推測されます。AIインフラ需要が半導体業界の構造自体を変えつつあることがうかがえます。

Agility RoboticsがSPAC経由で25億ドルのIPOを計画

ヒューマノイドロボット開発のAgility Roboticsが、SPAC(特殊目的買収会社)を通じて上場する方針を発表しました。バリュエーションは約25億ドルで、6億2000万ドルの資金調達を見込んでいます。

同社はオレゴン州立大学から2015年にスピンオフした企業で、「Digit」という二足歩行ロボットを開発しています。ヒューマノイドロボット分野ではFigure AIやTesla Optimusなども注目を集めており、実用化レースが激化する中で、Agilityは上場によって資金面での優位性を確保したい考えです。

ホワイトハウスがAnthropic CEO Dario Amodeiから距離を置く

WIREDの報道によると、トランプ政権のホワイトハウスがAnthropicの共同創業者CEO Dario Amodeiとの関係を縮小しつつあることが分かりました。高レベルの会合において、Amodeiに代わって共同創業者のTom Brownが同社の代表を務めるようになっています。

ホワイトハウスの某官僚はAmodeiを「変人」と評しており、AI政策をめぐる業界と政府の力関係が変化していることを示唆しています。AI企業のリーダーシップが政策立案に与える影響のあり方が改めて注目される動きです。

Sakana AI ― 日本でのフロンティアAI構築に向けた取り組み

日本のAIスタートアップSakana AIが、「Building Frontier AI in Japan」と題した取り組みをHacker Newsで取り上げられました。同社はこれまで進化型AIや小規模モデルの効率化で注目を集めてきましたが、フロンティアクラスのAIモデル開発にも本格的に乗り出す姿勢を示しています。

日本発のAI企業がグローバル競争に挑む事例として、国内のAIコミュニティでも関心が高まっています。