GLM-5.2が1Mコンテキスト・MITライセンスで公開
Z.ai(旧Zhipu AI)が最新のフラッグシップモデル「GLM-5.2」を公開しました。最大の特徴は、安定して動作する100万トークンのコンテキストウィンドウです。前世代のGLM-5.1と比較して、長時間タスクの処理能力が大幅に向上しています。
アーキテクチャ面では「IndexShare」という新機構を導入し、4つのsparse attentionレイヤーで同じインデクサーを再利用することで、100万トークンのコンテキスト長あたりのトークン単位FLOPsを2.9倍削減しています。また、MTPレイヤーを改善し、投機的デコードの受け入れ長を最大20%延伸。コーディング能力では、複数の思考深度レベルを選べる柔軟な設計を採用しています。
ベンチマーク面では、AIME 2026で99.2点、GPQA-Diamondで91.2点を記録。SWE-bench Proでは62.1点を叩き出し、フロンティアクラスの性能を示しています。アジェンティックベンチマークのMCP-Atlasでは76.8点を獲得しました。
ライセンスはMITで、地域制限なしの完全なオープンソースとして提供されています。Hugging FaceですでにFP8量子化版が公開されており、トレンド入りしています。
新アジェンティックベンチマック「Briefcase」:Claude FableとGLM-5.2がトップクラスに
Artificial Analysisが新しいアジェンティックベンチマーク「Briefcase」を公開しました。このベンチマークは、LLMがタスクを計画・実行する能力をテストするもので、既存のベンチマークが飽和状態にないため、より実践的な評価が可能とされています。
初期結果では、AnthropicのClaude FableとGLM-5.2がそれぞれのコホートでトップクラスの成績を収めており、エージェント能力における最新モデルの競争力を示しています。
Sparse Attentionのブレイクスルー:Subquadratic社が「SubQ」の実力を証明
MIT Technology Reviewが、マイアミのスタートアップSubquadratic社の取り組みを詳報しています。同社はTransformerのコアである「密なアテンション(dense attention)」を捨て、**スパースアテンション(sparse attention)**を採用した新しいLLM「SubQ」を開発しました。
従来のTransformerでは、テキスト長が倍になると計算量が4倍になる「二次的な膨張」が問題でした。SubQは、すべてのトークン同士を比較するのではなく、動的に重要な関係性のみを抽出して計算量を大幅に削減します。その結果、FlashAttentionを使用するモデルと比較して56倍高速な処理を実現。LiveCodeBenchでは89.7%を記録し、トップクラスのコーディングモデルと同等の性能を示しています。
第三者機関Appenによる独立評価では、600万〜1200万トークンという巨大なコンテキストウィンドウで98%の検索精度を達成。AnthropicのOpus 4.6をRULER 128テストで実行するのに2600ドルかかるところ、SubQではわずか8ドルだったとのことです。
ただし、SubQはQwenの重みを再利用してブートストラップしている点や、まだ広く公開されていない点から、懐疑的な声も残っています。「Transformer以来のブレイクスルーか、それともAIのTheranosか」という評も出ており、今後の展開が注目されます。
OpenAIの「特質ベース訓練」:少量のRLでモデルを全体的に安全に
OpenAIの研究者が、truthfulnessや修正可能性(corrigibility)といった望ましい行動特性を強化学習で訓練すると、複数の領域で安全性が向上することを示しました。
興味深いのは、ヘルスケアデータで訓練したモデルが、だましの手口の検出能力も向上したという結果です。53のベンチマークのうち44でスコアが向上しており、ドメインをまたいだ汎化効果が確認されています。このアプローチは、Anthropicの憲法ベース(Constitution)手法とは異なるルートで安全性を高めるものとして注目されます。
Google、AI検索結果の責任を巡るドイツ裁判の判決を控訴
Googleは、ドイツのミュンヘン地方裁判所の判決を控訴しました。同裁判所は、GoogleのAI検索機能(AI Overviews)がミュンヘン在住の2人の出版社を詐欺事件に誤って結びつけた件で、Google自身に直接責任があると判断しました。
Googleはこれを「軽微なエラー」と呼んでいますが、裁判所は異なる見解を示しました。この判決が確定すれば、AI生成コンテンツに対するプラットフォームの責任範囲を巡る重要な先例となる可能性があり、EU圏でのAI検索サービスのあり方に影響を与えるとみられます。
エストニア、AIエージェントにデジタルIDを付与へ
エストニアがAIエージェント向けのデジタルID制度の導入を計画しています。すでにe-Residencyで知られる同国は、AIエージェントに法的・技術的なアイデンティティを与える先進的な取り組みを進めています。AIエージェントが自律的に取引やサービス利用を行う時代に向けた制度設計として、他国の参照事例になる可能性があります。