Anthropicが2つのモデルを一時停止、背景にAmazon CEOの懸念指摘

Anthropicは6月13日、新モデル「Claude Mythos 5」および「Claude Fable 5」へのアクセスを一時停止しました。同社のステータスページでは両モデルとも「Monitoring(監視中)」状態にあり、米国政府のセキュリティ懸念に対応する措置とされています。

さらに注目を集めているのは、この安全性の懸念の発信源とみられる人物です。TechCrunchの報道によると、AmazonのAndy Jassy CEOがAnthropicのモデルに関するセキュリティ上の懸念を政府機関に伝えていた可能性が指摘されています。AmazonはAnthropicの主要な投資家でありながら、クラウドインフラの提供者としても位置づく複雑な関係性があり、この報道が業界に与える影響は小さくありません。

現在はモデルの再公開に向けて監視が続いており、復旧時期は明示されていません。

KPMGがAI利用調査リポートを回収 ― ハルシネーションが原因

ビッグ4会計事務所のKPMGが、AIの利用状況に関する調査リポートを公開後に取り下げました。原因は、リポート内にAIによるハルシネーション(もっともらしい嘘)が含まれていた疑いがあるためです。AIに関するリポート自体がAIの信頼性問題の事例になったという、皮肉な展開となっています。

企業がAIを活用したコンテンツを発信する際、ファクトチェックの重要性が改めて浮き彫りになりました。

イギリスの警察官がAIで証拠を捏造した疑い ― 複数事件で調査

イギリス・ダービーシャー警察の警官が、AIを使用して複数の事件で「証拠を作成した」疑いで調査されています。Sky Newsの報道により明らかになったこの事件は、Hacker Newsでも19ポイントの関心を集めました。

法執行機関におけるAI利用は、誤判定が直接個人の権利侵害につながりかねないだけに、ガバナンスの在り方が緊急の課題となっています。AI生成コンテンツを証拠として扱うことの危険性を示す象徴的な事例と言えます。

中国のリン化インジウム輸出規制がAIデータセンター整備に脅威

ロイター通信の報道によると、中国が輸出を管理するリン化インジウム(indium phosphide)の供給制限が、AIデータセンターの展開計画に影響を与え始めています。リン化インジウムは光通信部品の材料として不可欠であり、AIインフラの高速化・大規模化を支える基盤技術の一つです。

半導体に続く希少素材の輸出規制は、AI競争の物理的な供給-chainにも地政学的リスクが及んでいることを示しています。

ジェフ・ベゾスのAIスタートアップ「Prometheus」が120億ドル調達

Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏が率いるAIスタートアップ「Prometheus」が、120億ドル(約1.7兆円)の資金調達を実施したことが報じられました。評価額は410億ドルに達し、物理世界で機能する「汎用AIエンジニア」の実現を目指しています。

ソフトウェア領域にとどまらないAIの物理応用に対する巨額投資は、ロボティクスや製造業など、これまでAIの恩恵が限定的だった分野への本格的な参入を予感させます。

オープンソースモデル界の動向:DeepSeek v4 Proの「コスパ」問題とCohereの新モデル

ローカルLLMコミュニティでは、モデル規模と性能のバランスをめぐる議論が活発です。DeepSeek v4 Proは1.6兆パラメータとオープンモデル最大級の規模ながら、多くのベンチマークでGLM 5.1(7500億パラメータ)やKimi K2.7、MiniMax M3(約4500億パラメータ)に後れを取る局面が目立つとの指摘が出ています。一方で、Huaweiベースの推論基盤の重要性を強調する声もあります。

また、Cohereは30B-A3B(総パラメータ300億・アクティブ30億)の効率的なコード生成モデル「North Mini Code」をApache 2.0ライセンスで公開し、llama.cppにもアーキテクチャサポートが追加されました。256Kコンテキスト長を備えるこのモデルは、コード生成とエージェント型ソフトウェアエンジニアリングに最適化されています。