QUEST — オープンソースの深層研究エージェントが2B〜35Bで登場

Hugging FaceのDaily Papersで公開された「QUEST」は、汎用的な深層研究タスクをこなすオープンソースのAIエージェントファミリだ。2Bから35Bまで複数のパラメータサイズが用意されており、事実確認、引用の根拠付け、レポートの統合といった長期間の検索タスクに強みを持つ。

最大の特徴は、訓練データを完全に合成(synthetic)タスクで構成している点。実データに依存せず、自動生成したタスクでフロンティアレベルの研究エージェントを訓練できるというアプローチは、今後のエージェント開発の新しい方向性を示唆している。オープンモデルとして公開されるため、研究コミュニティでの検証や応用が期待される。

talkie-1930-13b — 1930年以前のテキストだけで学習した「ビンテージLLM」

RedditのLocalLLaMAコミュニティで、非常にユニークな言語モデルが話題を集めている。「talkie-1930-13b-it」は、1931年以前の英語テキスト260Bトークンのみで事前学習された13Bパラメータのモデルだ。

このモデルは、エチケットマニュアル、百科事典、手紙の書き方ガイドといった1930年以前の参考書から抽出した指示-応答ペアでファインチューニングされ、さらにオンラインDPOによる強化学習で指示追従能力を向上させている。llama.cppでもサポートが追加された。

「過去の人と会話したらどうなるか」という実験的な動機から生まれたこのプロジェクトは、LLMの訓練データ選択がモデルの挙動にどれほど大きな影響を与えるかを示す興味深い事例となっている。

Microsoftがパブリッシャーに「AIボットをブロックしないで」と要請

AdExchangerの報道によると、Microsoftはコンテンツパブリッシャーに対し、AIクロールボットをブロックしないよう要請している。

AI企業とパブリッシャーの間で、Webコンテンツの利用をめぐる対立が続く中、Microsoftのこの姿勢は注目に値する。パブリッシャー側はAIによる無断スクレイピングがトラフィック減少や著作権侵害につながると懸念している一方、AI企業にとっては高品質な訓練データの確保が死活的な課題となっている。

この動きは、AI産業の発展とコンテンツ制作者の権利保護という相反する要求の間で、プラットフォーマーがどのような立ち位置を取るかを示す一例と言える。

AI専門家がウォール街に1日25,000ドル — エージェント化の波が金融へ

Bloombergの報道によると、AIの専門家がウォール街の銀行に対し1日25,000ドル(約380万円)の報酬でAIトレーニングを提供しているという。

背景にあるのは、金融業界における「アジェンティック・シフト」だ。従来のAI活用が分析支援にとどまっていたのに対し、自律的に意思決定やアクションを実行するAIエージェントの導入が急速に進んでいる。銀行側は、単なるAIツールの導入ではなく、組織全体のワークフローをAIエージェント中心に再設計する必要に直面している。

この動きは、AI人材の需要が単なるエンジニアリングから、ビジネスプロセス変革のコンサルティング領域にまで拡大していることを示している。

Alex Smola氏「すべてのLLMベンチマークは不要だ」

AI研究者のAlex Smola氏が、LLMベンチマークの選び方について考察を公開した。

現在、MMLU、HumanEval、GSM8Kなど数多くのベンチマークが存在し、それぞれが異なる能力を測定している。しかしSmola氏は、用途に応じて本当に必要なベンチマークだけを選ぶべきだと主張。すべてのベンチマークで高スコアを追うことは、かえってモデル評価のコストと複雑さを増すだけだと指摘している。

この議論は、LLMの評価手法が成熟期に入りつつある中で、実用的な観点からベンチマークを見直す重要な視点を提供している。

PHP研究所が松下幸之助氏のAI偽動画に注意喚起

PHP研究所は5月26日、創設者である故・松下幸之助氏の画像と音声をAI合成した偽動画が引き続き出回っているとして、公式Xで改めて注意喚起を行った。

これは声優の津田健次郎さんがTikTokでの提訴に踏み切った件と同種の問題で、AIによるディープフェイク技術が著名人の肖像権や名誉権を脅かす事例として国内でも増加している。企業や遺族が公式に注意喚起を行うケースは今後さらに増えるとみられる。