AnthropicがStainlessを買収――SDKとMCPでエージェントの到達範囲を拡大

Anthropicが5月16日、SDKおよびMCPサーバーツールのリーディングカンパニーStainlessの買収を発表した。2022年設立のStainlessは、API仕様からTypeScript、Python、Go、Java、Kotlinなど多言語のSDKを自動生成する技術を持ち、Anthropicの公式SDKも同社が一貫して生成してきた。

Anthropicのプラットフォームエンジニアリング責任者Katelyn Lesse氏は「エージェントは接続できるものにしか役立たない。Stainlessチームを迎えることで、Claudeがデータやツールに接続する能力をさらに高められる」と語っている。

現在、AIのフロントラインは「応答するモデル」から「行動するエージェント」へとシフトしつつある。SDKとMCP(Model Context Protocol)はその基盤技術であり、今回の買収はAnthropicがエージェント戦略の要を自社で握る動きと言える。数百社がStainless製SDKに依存している点を考えると、影響はAnthropicの枠を超えて広がる可能性がある。

教皇レオ14世がAIに関する初の回勅を発表へ、Anthropic共同創業者が招待

教皇レオ14世が5月25日、AIに関する初の回勅(encyclical)を発表することが明らかになった。回勅はカトリック教会において教皇の最も権威ある文書であり、AIを主題とした回勅が発行されるのは歴史上初めて。

注目すべきは、Anthropicの共同創業者Christopher Olah氏がゲストスピーカーとして招待されている点だ。AI企業の創業者が教皇の公式行事に招聘されるのは極めて異例で、AIの社会的・倫理的影響に対する宗教界の関心の高さを示している。

教皇レオ14世は就任以来、AIによる人間の尊厳への影響を繰り返し言及しており、今回の回勅ではAI開発の倫理的ガイドラインが示されるとみられている。

AndurilとMetaが軍事用ARスマートグラスを開発――視線でドローン攻撃を指示

防衛テック企業Andurilが、Metaと共同で軍事向けARヘッドセットの詳細を初公開した。MIT Technology Reviewの報道によると、同ヘッドセットは兵士の視線追跡と音声コマンドによるドローン攻撃の指示を視野に入れている。

AndurilのVP Quay Barnett氏(元陸軍特殊作戦コマンド)は「人間を兵器システムとして最適化する」ことを基本目標に掲げ、ドローンと兵士が視覚情報を共有し、一体化して意思決定を行う構想を描いている。

現在2つのプロジェクトが進行中。1つ目は陸軍のSBMC(Soldier Born Mission Command)プログラムで、1億5900万ドルの試作契約を獲得済み。2つ目は自社資金による独自ヘルメット・ヘッドセット「EagleEye」の開発だ。AIの軍事応用が加速する中、倫理的議論の必要性も高まっている。

Qwen 3.7のリリースが間近に――LocalLLaMA界隈で期待高まる

AlibabaのQwenシリーズ最新版「3.7」のリリースが間近に迫っている。LocalLLaMAコミュニティでは、Qwen Chatに3.7がドロップしたという報告や、開発チームが「3.7のリリースを待ちきれない」と投稿するなど、期待が高まっている。

先行するQwen 3.5(35B-A3B)は、ローカル環境でのエージェント的コーディング性能が好評を博している。RTX 4090+5060 Ti環境でllama.cpp経由、Claude Codeのバックエンドとして動かしたユーザーは「Gemma 4 26Bより優秀」と評価。特にチャットUIよりもエージェント的コーディングで性能を発揮する点が興味深いと指摘されている。

また、Tesla P40でQwen 3.6を動かすユーザーも登場。MTP(Multi-Token Prediction)推論を有効にするためKVキャッシュの量子化に苦労するなど、ハードウェア互換性の課題も議論されている。

DropboxがSQLiteベースの高速セマンティック検索「Witchcraft」をオープンソース化

Dropboxのエンジニアが、StanfordのXTR-Warpセマンティック検索エンジンをSafe Rustで一から再実装した「Witchcraft」をオープンソースで公開した。

最大の特徴は、SQLiteの単一ファイルをバックエンドに使い、APIキーもベクトルデータベースもチャンキングも不要で完全にローカル動作すること。Apple MacBook Pro M2 MaxでNFCorpusベンチマークのp.95レイテンシが20ms、NDCG@10で33%を達成しており、オリジナルのXTR-Warp(サーバークラスのハードウェア)の2倍以上の速度で同等の精度を出している。

同プロジェクトには「Pickbrain」というCLIツールも含まれており、Claude CodeやOpenAI Codexのセッション履歴・メモリファイルをインデックスして高速にセマンティック検索できる。個人開発者にとって、ローカルAIのインフラがさらに充実しそうだ。

Devin AIが自動イシュートリアージ機能を発表

AIコーディングエージェントDevinが、GitHubイシューの自動トリアージ機能を発表した。新機能「Auto Triage」は、リポジトリに投稿されたイシューをDevinが自動で分析・分類し、優先度付けや担当割り当てを支援する。

これまでコーディングエージェントは「コードを書く」ことが主役だったが、イシュートリアージは保守・運用領域への本格参入を意味する。大規模リポジトリではイシューの分類作業だけでかなりの工数がかかるだけに、AIによる自動化の需要は高い。