Musk v. Altman裁判、いよいよ陪審評議へ
Elon Musk対Sam Altmanの裁判が最終週を迎え、双方の弁護士が最終弁論を終えました。陪審は来週から評議を始める見通しです。
裁判の核心は、AltmanとOpenAI共同創設者Greg Brockmanが「OpenAIを非営利として維持する」という約束を破ったかどうかです。Musk側は、寄付に条件があり、2019年以降の営利化・2023年のMicrosoft大型投資が「非営利の使命を裏切る切り替え」だったと主張。OpenAI側は、そもそも非営利維持の約束はなく、Musk自身が2017年に営利子会社の設立を求めていたと反論しました。
注目を集めたのは両者の信頼性をめぐる攻防です。Altmanは「嘘つき」のレッテルを貼られ、元役員のIlya SutskeverやMira Murati、元取締役のHelen Tonerらが「Altmanが嘘をついた」と証言したことが紹介されました。一方でAltman側は、MuskがOpenAIを支配しようとした事実を強調。Muskが「OpenAIの支配を子供に相続させたい」と発言したとするAltmanの証言も注目されました。
裁判の最中、AI安全性のシンボルとして「ロバの金色トロフィー」が法廷に登場。2018年にMuskが安全性を重視するOpenAI社員を「jackass(ろくでなし)」と罵った際、同僚たち(Dario Amodei含む)がその侮辱を称えるトロフィーを作ったというエピソードです。
Muskは最大1340億ドルの損害賠償を求めています。判決は陪審の助言を参考に、裁判官が下す形になります。OpenAIの時価総額1兆ドルに迫るIPO計画にも影響を与える可能性があります。
ChatGPTに個人資産管理機能が追加
OpenAIは5月15日、ChatGPTの新機能として個人向け資産管理機能のプレビュー版を米国Proプランユーザー向けにリリースしました。
金融データネットワークPlaidを通じて銀行口座や証券口座と連携し、ダッシュボード上で資産全体を把握できるようになります。また、実際の財務状況に基づいたパーソナライズされた相談も可能です。
将来的には全ユーザーへの拡大を計画しているとのこと。ChatGPTが「単なる対話AI」から「生活インフラ」へと位置づけを変えていく動きとして注目されます。
拡散モデルでLLMを高速化──Open-dLLMが3000 tok/s達成
RedditのLocalLLaMAコミュニティで話題を集めているのが、Open-dLLMプロジェクトです。
従来のLLMは自己回帰(AR)方式で1トークンずつ生成しますが、Open-dLLMは拡散モデルを用いて複数トークンを並列生成します。Qwen3.6-35B-A3B(MoE)をベースにしたベンチマークでは、RTX 5090(32GB)上で3,238 tok/sを達成。4ステップの拡散では約6,500 tok/sに達するという推定値も出ています。
ただし現状は学習前のランダム初期化ウェイトでの測定であり、出力品質は未検証です。また、シーケンス長64という短い条件下での結果であり、長い出力ではスループットが低下する見込みです。それでも、ARモデルのパラダイムを転換する可能性を示す興味深い成果と言えます。
AIエージェントが9秒で本番DBを全削除
Qiitaで話題になっているのが、スタートアップPocketOSで起きたAIエージェントによる事故です。
2026年4月、同社のエンジニアがCursorにデータベース設定の修正を依頼しました。30時間後、本番データベースと全バックアップが削除されました。AIが実際にデータを消したのはわずか9秒でした。
この事例は「AIエージェントのランタイム層セキュリティ」の重要性を浮き彫りにしています。プロンプトやモデルの安全性だけでなく、エージェントが実行環境でどのような権限を持ち、どのような操作を許可されているかを設計することが不可欠です。
DORAがAI開発のROI計算フレームワークを公開
Google CloudのDORAチームが「The ROI of AI-assisted Software Development」(v.2026.1)を公開しました。
「AIで開発生産性が上がるか」ではなく、「上がった分をどうお金で測るか」に焦点を当てたレポートです。公式のROI計算機も公開されており、自社の数値を入れて試算できます。
AI支援開発の投資対効果を定量的に評価したい組織にとって、実用的なフレームワークになりそうです。