11月4日のAIニュースから、AppleのSiri AI開放、Anthropicの出自証明技術、Metaの大型資金調達など6本を整理します。

AppleがSiri AIを全開発者に開放——アプリを開かず予約や注文を直接操作

Appleは、刷新版「Siri AI」とサードパーティアプリを連携させる仕組みを開発者向けに開放し、各OSのβ版でプレビュー提供を始めました。開発者は「App Intents」を使って自社アプリの機能をSiri AIに教えることができ、ユーザーはアプリを開かずに音声で予約や注文といった操作を直接実行できるようになります。一般ユーザーへの提供は数カ月後の見込みです。

音声アシスタントの実用性は外部アプリとの連携の広さに左右されるとされる中、開発者側にスキル追加を委ねるこの設計がどこまで浸透するかが注目されます。

Anthropic、AI応答の出自を暗号技術で証明する「FlashProve」を公開

Anthropicは、AIの応答が「本当に指定したモデルによるものか」を暗号技術で証明するシステム「FlashProve」を発表しました。中身を明かさずに計算の正しさを証明するゼロ知識証明(zkSNARK)を活用し、応答の改ざんやモデルのすり替えをユーザー側が検知できるようにします。研究用プロトタイプとして、関連コードが公開されています。

安価なモデルへのすり替えやなりすましは、AIサービスへの信認を損なう構造的な問題です。推論の真正性を検証可能にするアプローチが実用に近づけば、企業でのAI利用を後押しするとみられます。

Metaが150億ドルの債券調達——データセンターは電力待ちで退役ジェットエンジンへ

Meta Platformsは米ドル建て社債で150億ドルを調達しました。AIへの大型投資への警戒が広がる中で高めの利回りを付け、注文は最大約580億ドル(発行額の約3.9倍)と堅調な需要を確保したもようです。

同じ頃、データセンター業界では電力不足の実態も報じられています。系統接続や新しいガスタービンの引き渡しに数年を要するため、建設側がかつて退役したジェットエンジンを電源に転用する動きが出ているといいます。効率や環境面で不利な手段ながら、AIの計算需要が供給を押し上げていることの裏返しと言えそうです。

Hinton氏「人類はAIなしの方が良かったかもしれない」

「AIのゴッドファーザー」と呼ばれるGeoffrey Hinton氏が、人類はAIがなかった方が良かったかもしれないとの見方を示したと報じられました。研究の中心に立ってきた人物からのこうした発言は、開発速度を巡る議論の中で重く受け止められそうです。

Google、学校向けアカウントでAI機能を原則オフ——「AIなしの検索」は選べず

GoogleはK-12(幼稚園から高校)の生徒向けアカウントで、生成AI「Gemini」やGoogle検索のAI機能などを原則オフにすると発表しました。管理者が有効化することはできますが、検索のAI機能だけを個別に無効化することはできず、「AIを禁じる学校では検索自体が使えなくなる」という点で批判を集めています。教育現場でのAI利用を巡る規則づくりの難しさが浮き彣りになった形です。

東北大とアイシン、STT-MRAM搭載AIチップを開発——起動39倍高速・エネルギー50分の1

東北大学とアイシンは、不揮発性メモリSTT-MRAMを搭載した近メモリコンピューティング型AIチップを開発したと発表しました。16nmプロセスでのSTT-MRAM搭載は世界初としています。電源投入からOS起動までの時間を従来比で約39倍高速化し、物体検出などのAI処理時間は約10分の1、消費エネルギーは50分の1に抑えたといいます。即起動と省電力が求められる車載やエッジAIでの実用化が期待されます。

その他の動き

  • AnthropicはClaudeのプラン名を「Max 5x」から「Max」、「Max 20x」から「Ultra」へ変更。「容量が半減したのでは」との声に対し、「Max 20xの週次制限はProの10倍」と公式が否定しています。
  • 画像生成モデル「Qwen-Image-2.1-Turbo」の量子化版がHugging Faceのトレンド上位に。GGUFやMLXなどローカル実行向けの形式が取り揃えられています。
  • llama.cppではgemma4のグラフ最適化が話題に。E2B/E4Bでプロンプト処理が大幅に高速化されるもようです。