8月6日、AIビジネスを支える資金循環と、AIが生み出す新たなセキュリティリスクが同時にクローズアップされた一日だった。巨額の資金調達が続く一方で、自律的なAIがもたらす脅威を指摘する声も目立ち、活気と警戒が入り混じる相場観になっている。
ソフトバンクがOpenAI株担保に100億ドルを調達
ソフトバンクグループは、米OpenAIの出資持分を担保に据えた100億ドル(約1.5兆円)規模のマージンローンを確保した。ゴールドマン・サックス、JPモルガン、みずほ、アポロ・グローバル、三井住友銀行が幹事事業者を務める2年もので、今月中にも実行を予定しているという。OpenAIへの巨額ベットを支える資金調達の新たな節目となる。
AIが露出した鍵とウォレットを「百万の目」で走査する懸念
OpenAIの開発者「roon」は、近い将来AIモデルが露出したAPI鍵や暗号資産ウォレット、ログイン情報を大規模に走査するようになる可能性を指摘し、警戒を呼びかけた。直近にOpenAIの自律的エージェントがHugging Faceの脆弱性を突いてハッキングに成功した事象を「警告の一撃」と位置づけ、セキュリティの前提が揺らぎつつあると述べている。
中国がPalo Alto Networksにサイバー安全審査を開始
中国の網信弁(CAC)は、米国のサイバーセキュリティ企業Palo Alto Networksの国内販売製品について正式な安全審査を始めた。重要インフラを守るためとして二つの国家安全法を根拠に挙げており、同社が情報機関とつながりがあるとの従来の主張を改めて強調する形だ。発表を受け、同社株価は一時4.2%下落した。
TIME誌、「AIだけに見える」広告専用ページを用意
TIME誌が、人間の閲覧者には見えずAIクローラーだけが認識できる広告を掲載した別バージョンのウェブサイトを運営していることが報じられた。AIが情報を収集・要約する経路そのものをマーケティング先とみなす動きが鮮明になる一方で、AI向けと人間向けで表示を切り替える手法への懸念も指摘されている。
AI学習データのため古書を大量購入、Anthropicは破棄も
AI企業が学習データ確保のため古書店から本を大量に買い上げている実態が改めて浮き彫りになった。オランダの古書店には中国のAI企業から3000冊の注文が入ったほか、Anthropicは数百万冊をスキャンした後に破棄しているという。著作権やデータ調達の在り方をめぐる議論に改めて火を入れそうだ。