MCPが公開以来最大の改訂「2026-07-28仕様」をリリース — ステートレス化とガバナンス強化

Model Context Protocol(MCP)の2026-07-28仕様が公開されました。これはMCP登場以来最大かつ最重要の改訂と位置づけられています。

主な変更点は以下の通りです:

  • ステートレス化: 従来のステートフル通信からステートレスプロトコルへ移行し、標準的なHTTPインフラ上でのスケーリングが可能に
  • ガバナンス強化: 管理された拡張システム(governed extensions)を導入し、今後の破壊的変更を抑制するライフサイクル保証を確立
  • 認証の強化: OAuth 2.0およびOpenID Connectとエンタープライズ慣行により密接に統合

AWSは同日、Amazon Bedrock AgentCore Gatewayが新仕様に対応したことを発表。UpdateGateway APIを1回呼ぶだけで移行可能で、既存クライアントは従来通り動作します。

一方で、MCP関連のスタートアップRunlayerは同日、Ripplingが自社のMCPゲートウェイ製品を評価した後に独自に開発したとして訴訟を提起。MCPエコシステムの成長に伴い、知的財産をめぐる摩擦も出始めています。


Sam Altmanが「減速」に前向き — セキュリティインシデントが価値観を変えた

TechCrunchが報じたところによると、OpenAIのSam Altman氏がAI開発のペースを落とすことに対して前向きな姿勢を示しました。

Altman氏は「自身が非常に身近に感じた初めてのセキュリティインシデント」をきっかけに立場を変えたと述べています。これは7月28日に報じられた「OpenAI・Anthropicの社員が米国政府にAI開発調整を求める書簡を共有」という報道とも関連する動きです。

最先端AI開発の最前線にいるCEO自身が減速に肯定的な発言をしていることは、AIの能力向上が企業の自主規制だけでは対処しきない段階に達していることを示唆しています。ただし、具体的な減速スケジュールや実現手段については現時点では不明です。


AnthropicのMythosモデルが暗号アルゴリズムの脆弱性を発見 — ポスト量子暗号「HAWK」に60時間で攻撃

Anthropicの「Claude Mythos Preview」が、インターネットのセキュリティを支える主要な暗号アルゴリズムに弱点を発見しました。

注目すべきは、ポスト量子署名方式であるHAWKに対する攻撃方法を改善した点です。HAWKは人間の専門家が2年以上レビューしても問題なしとされていた方式ですが、Mythosはわずか60時間、APIコスト約10万ドルで脆弱性を特定しました。

現時点でこの発見が現用システムに直接影響を与えるものではないとされていますが、AIがインターネットセキュリティの根幹にある前提を揺るがす可能性を示す事例として重要です。


AIが発見したバグは実際には悪用しやすくない — The Registerの検証

暗号脆弱性の発見でAIの能力が注目される一方、The Registerは「AIが見つけたバグはアピールほどには悪用が容易ではない」と報じています。

AIのセキュリティ応用は発見面では優れた成果を挙げていますが、見つかった脆弱性を実際に攻撃に転化させる難易度は従来と変わらないと指摘。AI発見のバグが実世界の脅威としてどの程度意味を持つかについては、発見から悪用までのギャップを慎重に評価すべきだとしています。

AnthropicのMythosによる暗号解読と合わせて考えると、AIのセキュリティ能力は**「発見」と「実用化」の間に大きな溝がある**段階と言えそうです。


主要LLMベンチマークで最大12%の問題に欠陥 — GPQA・MMLU-Pro監査結果

LocalLLaMAコミュニティで共有された研究で、GPQA、MMLU-Pro、MMMU-Proといった主要なLLM評価ベンチマークの問題が監査され、最大12%の問題に欠陥があることが判明しました。

問題点としては、フォーマットの不備、誤った正解キー、現実的に複数の正解が存在する問題など。欠陥問題を除去した「クリーン版」で再評価すると、トップモデルのスコアがGPQA-Diamondで約98%に跳ね上がりました。

一部のモデルがベンチマークの天井に達していたのは、モデルが優秀だっただけでなくテスト自体に問題があった可能性が高いことを示しています。評価の信頼性を担保するための継続的なメンテナンスの重要性が浮き彫りになりました。


LFM2.5-Encoders — CPUでも高速に動作する多言語エンコーダ

Liquid AIがLFM2.5-Encoderファミリー(230M / 350M)を公開しました。LFM2アーキテクチャベースの双方向エンコーダで、15言語に対応し、分類・トークン分類・検索・リランキングなどにファインチューニング可能です。

注目はCPU環境での長コンテキスト処理速度。ModernBERTと同等以上のスループットを達成しつつ、WebGPU経由でブラウザ上でも動作します。8Kトークンのコンテキスト長をサポートし、オンチップデバイスでの実用的な自然言語処理に新たな選択肢を提供しています。