Kimi K3正式リリース — 2.8兆パラメータ、100万トークンコンテキスト

中国Moonshot AIの最新モデル「Kimi K3」が7月16日、Web・アプリで正式にリリースされた。パラメータ数は2.8兆(2.8T)、コンテキスト長は100万トークン。コーディング、エージェントタスク、長文推論、視覚理解、エージェント群制御において業界トップクラスをうたっている。

FT(フィナンシャル・タイムズ)は事前に、Kimi K3が「中国発の最大規模のオープンAIモデル」になると報じており、パラメータ数は2〜3兆の範囲と伝えていた。AnthropicのOpus 4.8との差を縮めることが期待されている。

先週末から「リリース間近」と報じられていた同モデルだが、ついに一般利用が可能になった。LocalLLaMAコミュニティでも即座に反応が上がっている。

Apple Intelligence、中国当局の承認を取得 — AlibabaとBaiduと提携

AppleのAIアシスタント「Apple Intelligence」が中国市場での展開承認を取得した。AlibabaのQwen AIおよびBaiduとの提携が実現し、中国国内のiPhoneユーザーにAI機能が提供される見通し。

この提携は昨年から噂されていたが、中国政府の規制審査を経て正式に認可された。Appleにとって中国は最重要市場の一つであり、AI機能の欠如は競争力低下に直結するため、今回の承認は重要なマイルストーンと言える。

AlibabaがLLM基盤を、Baiduが検索・コンテンツモデレーションを担当するとみられている。

経産省が国産フィジカルAI「FRONTia Project」を始動

経済産業省は7月16日、国産フィジカルAI向け基盤モデルを構築する「FRONTia Project」のキックオフイベントを開催した。国内44社が共同出資するAI開発企業Noetraと産業技術総合研究所(産総研)を中心に、2030年までの「実世界ネイティブAI」実現を目指す。

イベントにはNVIDIAのジェンスン・フアンCEOが登壇し、「ジャパンAI構築はマストだ」と強調。赤沢経済産業大臣も革ジャン姿で登場し、国を挙げた取り組みの姿勢を示した。フィジカルAI(ロボティクス・自動運転等の実世界AI)は、日本の製造業強みを活かす重要領域として位置づけられている。

Sakana AI、Nvidia NemotronをFuguに統合 — 「集合知」でフロンティアモデルに対抗

東京のSakana AIは、NVIDIAのオープンソースモデル「Nemotron」を自社のオーケストレーター「Fugu」に統合した。Fuguは複数の言語モデルをタスクに応じて動的に組み合わせるシステムで、「個々のオープンモデルは単体ではフロンティアモデルに劣るが、協調させることで競争力を持つ」というアプローチを検証している。

具体的なベンチマークはまだ発表されていないが、AR(自己回帰)と拡散のハイブリッドシステムと同様に、「勝者総取り」ではなく複数モデルの協調が有効な方向性という主張だ。

AMI LabsのLeBrunCEO、「AGI」「スーパーインテリジェンス」の呼称を否定

Yann LeCun氏のワールドモデルスタートアップ「AMI Labs」のAlexandre LeBrunCEOは、AI業界で誰もが追う「スーパーインテリジェンス」という言葉を退けた。TechCrunchのインタビューで、LeBrunCEOは同社のAIを「AGI」や「スーパーインテリジェンス」と呼ぶことを明確に拒否している。

AMI LabsはLeCun氏が提唱する「世界モデル」のアプローチを実装する企業で、既存のLLMとは異なるアーキテクチャで実世界理解を実現することを目指している。過度な期待語を避ける姿勢は、同社の技術的アプローチの慎重さを反映しているとみられる。

Lila Sciences — 「ラボはデータセンター」、AIが自律運転する実験室

Lila Sciencesは、AIが24時間稼働で実験を自動実行する「未来的なラボ」の構築を進めている。Latent Spaceのインタビューで、CTOのAndy Beam氏とCSOのRafa Gómez-Bombarelli氏が、同社のビジョンを語った。

同社の自動化ラボには磁気浮上式の搬送システムやAIガイド付きロボティクスが搭載されており、生物学・化学・創薬・材料科学の領域を同時にカバーしている。これまでに実験的に検証された科学推論トークンは10兆を超えるという。「インターネットのデータは枯渇したが、科学は最後の未踏データソースだ」というのが同社の基本テーゼ。

スケールは仍在確立途中だが、「ラボ=無限のトークンジェネレーター」というアプローチは、AIの科学への応用における注目すべき方向性を示している。