中国MiniMaxが2.7兆パラメータ新モデル「M3 Pro」を準備—スケール競争さらに激化

The Informationの報道によると、中国のAI企業MiniMaxが次世代大規模言語モデル「M3 Pro」の公開を計画している。パラメータ数は2.7兆に達するとされ、DeepSeekやAlibabaなど他の中国勢とともに、モデル規模における競争が一段と激化している状況が浮き彫りになった。

中国のAI企業群はここ数カ月、相次いで大規模モデルを公開している。DeepSeekのV4シリーズやTencentのHy3などに加え、MiniMaxがさらに大規模なモデルを投入する方針は、フロンティアクラスの性能をめぐる競争が米中双方で続いていることを示している。パラメータ規模が必ずしも性能の高さに直結するわけではないが、2.7兆という数値は現在のスケーリング競争の勢いを象徴する。

元DeepMind幹部Verity Harding氏、AI軍拡競争の危険性を警告

元Google DeepMindの幹部でAI倫理の専門家であるVerity Harding氏がWIREDのインタビューに応じ、現在のAI開発をめぐる状況を「最悪のシナリオが形になりつつある」と警告した。

Harding氏は特に、米国政府のAIに対する国民国家的な態度を懸念材料として挙げている。国家主義的な枠組みでAI開発が進めば、安全保障上のリスクや国際協調の困難さが増すという指摘だ。AI開発競争が「軍拡競争」の様相を強めているとの認識は複数の専門家から示されてきたが、DeepMindの内部を知る人物が公に警鐘を鳴らした意義は大きい。

Harding氏はAIの将来について決定的に悲観的というわけではないとしつつも、今の進路を変えるには政策面での意識転換が必要だと強調した。

フランス競争当局がMetaにニュースメディアとの著作権交渉を命令

フランスの競争規制当局(Autorité de la concurrence)は7月8日、Meta Platformsに対し、ニュース報道機関と著作権使用料の交渉を行うよう命じた。同社が支配的地位を濫用しているとの二件の申立てを受けての措置である。

Metaは15日以内に、著作権料算定に必要な情報を報道各社に通知する義務を負う。同社がニュースコンテンツをプラットフォーム上で利用しているにもかかわらず、適切な対価を支払っていないという批判が以前から根強くあった。

この判断は、AI時代におけるコンテンツの価値と著作権保護をめぐる議論に影響を与えそうだ。生成AIの学習データとしてニュース記事が使われるケースが増える中、プラットフォーム側とコンテンツ制作側の力関係を調整する先例として注目される。

AppleとBroadcomの米国製チップ契約、300億ドル超へ

AppleはBroadcomとの部品調達契約を拡大し、総額300億ドルを超える見通しとなった。米国製チップを150億個以上調達し、数百の雇用を支えるとしている。またBroadcomのコロラド工場の生産設備更新も支援する。

米国での半導体製造強化をめぐる動きは、AIインフラ需要の高まりと並行して加速している。Appleが今回表明した調達拡大は、以前からの約束を具体化するものだが、AIチップの需要急増を見据えたサプライチェーン再構築の文脈でも理解できる。TSMCやSamsungの米国投資とともに、半導体の「メード・イン・USA」が徐々に形になりつつある。

シンガポールTemasek、AI投資が後押しして純資産4000億ドル突破

シンガポールの政府系投資会社Temasek Holdingsは、3月末時点の純資産ポートフォリオ額が5180億シンガポールドル(約4010億ドル)に達したと発表した。AIおよび米州市場への投資比率を高めたことが収益向上に貢献している。

一年間の株主総利益率は現地通貨ベースで10.5%。AI関連への投資シフトが直接的なリターン向上につながったと同社は分析しており、機関投資家の間でAIセクターが主要な収益源として認識されつつあることを示している。

AIバブルを懸念する声もある中で、実際の投資成果としてAIセクターがポートフォリオを押し上げている事例は、市場心理に一定の影響を与えそうだ。

AnthropicがOSS開発者向け「Claude for Open Source」対象を拡大

Anthropicは7月8日、オープンソースソフトウェア(OSS)開発者向けプログラム「Claude for Open Source」の対象範囲を拡大した。認定された開発者には、最上位のサブスクリプションプラン「Claude Max 20x」を6カ月間無料で提供する。

OSS開発者への支援強化は、AIツールが開発フローに深く組み込まれる中で、コミュニティとの関係構築を重視する動きと捉えられる。Anthropicは以前からOSSコミュニティとの連携を強調しており、今回の拡大はその方針の延長線上にある。

まとめ

中国MiniMaxの2.7兆パラメータモデル計画は、モデルスケールの競争がまだ続いていることを示す。元DeepMind幹部からの軍拡競争への警告は、この競争の行き着く先に対する重要な視点を提供している。フランスのMetaに対する著作権交渉命令は、コンテンツとプラットフォームの関係をめぐる規制の潮流を示す。AppleのBroadcomとの大型契約とTemasekのAI投資成果は、半導体と資本の両面でAIインフラ建設が進んでいることを実証する。AnthropicのOSS向け無償提供拡大は、開発者コミュニティの獲得競争が続いていることを印象付けた。