Anthropic「Mythos 5」が100以上の米国組織に解放――交渉から承認へ

6月26日、トランプ政権はAnthropicの最先端AIモデル「Mythos 5」について、100以上の米国企業および政府機関に対するアクセスを承認した。Commerce SecretaryのHoward LutnickはAnthropicのChief Compute Officer宛ての書簡で「Anthropicは米国政府と協力してCovered Modelsに関連するリスクに対処してきた。これらの取り組みはsignificant progressをもたらした」と述べ、当該モデルを「certain trusted partners」に提供可能とした。

複数メディアが同日報じたところでは、対象には非米国人従業員も含まれる。TechCrunchは「100社以上の企業および政府機関がMythos 5を使用する権限を持つ」と報じている。

本件は6月12日の輸出規制指令による全世界停止(AWS Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry等での国籍フィルタリングを含む)から約2週間での展開となる。前回の「協議中」から「承認・解放」への明確な進展であり、AI企業と規制当局の関係が一つの区切りを迎えたと言える。ただし、どのような条件・監視体制の下で提供されるかは今後の公式発表を待ちたい。

AIで突然死リスクを予測――UC Berkeleyの新手法

UC Berkeleyの研究チームが、AIを用いて突然心臓死(sudden cardiac death)のリスクを検出する新しい手法を発見したと発表した。Hacker Newsでも話題を呼んだ同研究は、既存のリスク評価では捕捉困難だったパターンをAIが特定できる可能性を示している。

突然心臓死は年間多くの命を奪うが、事前の予測が極めて困難とされてきた。AIが心電図などのデータから微細な異常パターンを抽出することで、ハイリスク群の特定精度が向上する可能性がある。詳細な手法や臨床応用のタイムラインについては、今後の論文公開を待ちたい。

BlackBerry CEO「安全認証ソフトはAIに代替されない」

BlackBerryのJohn Giamatteo CEOは6月26日のBloomberg Televisionインタビューで、AIが同社の安全認証製品を置き換えることは現時点ではできないとの見方を示した。

同社のQNXオペレーティングシステムは現在全世界2億7,500万台の自動車に搭載されており、自動車分野にとどまらず産業オートメーション、ロボティクス、医療機器へ領域を拡大している。Giamatteo氏はQNXがBlackBerryで最も急成長している部門であるとも述べた。

安全が直接の人命に関わる領域では、AIの不確実性が許容されにくいという現実がある。認証・保証が求められるエッジ領域において、従来型の安全設計ソフトウェアが依然として強い競争力を持つことを示す事例と言える。

孫正義氏が東電出資に意欲――データセンター誘致の鍵は「電力」

ITmediaの報道によると、ソフトバンクグループの孫正義氏は6月26日の株主総会で、AIインフラ最大のボトルネックである「電力確保」に言及した。子会社のソフトバンクが東京電力の次期オーナー候補に名乗りを上げている事実にも触れ、将来的には「純資産価値1,000兆円」の展望を語った。

最先端データセンターを日本へ呼び戻すためには、安定した大規模電力供給が不可欠である。東電との連携が実現すれば、国内AIインフラの競争力強化につながる可能性がある。ただし、東電の買収・出資については規制面や政治的合意などハードルも多く、具体的な形とタイムラインは現時点では不明確である。

LocalLLaMAトピック:Vulkan版llama.cppがROCmの2倍速度を記録

RedditのLocalLLaMAコミュニティで、AMD Radeon RX 7900 XTX環境においてVulkan版llama.cppを使用した興味深い構成が報告された。

Qwen3.6-35B-A3B(IQ4_XS量子化)を262K(約26万)トークンのコンテキスト長で動かし、VRAM使用量は約22 GiBに収まったという。最も注目すべきは、最適化されたROCm 7.14と比較してトークン生成速度が約2倍、メモリ使用量・フットプリントも低いという結果である。Vulkanバックエンドはこれまで実験的な位置づけだったが、実用レベルに到達しつつある可能性を示している。

同コミュニティではその他にも、4x RTX 5060 Tiでのbifurcation環境におけるP2P通信のトラブルシューティング結果や、クラウドモデルから自前蒸留への移行を検討する声が共有された。