米ホワイトハウス、ポスト量子暗号への移行を前倒し
米大統領令「Securing the Nation against Advanced Cryptographic Attacks」により、政府機関や重要インフラの暗号システムを量子コンピュータの脅威に耐えうる方式へ移行する期限が大幅に短縮された。「高価値資産」の鍵確立方式は2030年12月31日までに、デジタル署名方式は2031年12月31日までにポスト量子暗号へ移行することが求められている。
従来の日程から最大5年程度の前倒しとなる。背景には、暗号学的に意味のある量子コンピュータの実現に必要なコストとリソースが、従来の推定を大きく下回るという研究成果がある。GoogleやCloudflareも既に2029年への移行目標を前倒ししており、産業界全体で対応が加速している。
軍事、金融、政府、そして個人の機密データが「Store Now, Decrypt Later(今保存し、後で復号)」攻撃の標的になり得る状況下で、暗号インフラの更新は待ったなしの課題となっている。
Linux Foundation、「Agent Name Service」でAIエージェントの信頼できる身元基盤を構築へ
Linux Foundationは、AIエージェント向けの信頼できる身元基盤「Agent Name Service(ANS)」の立ち上げを発表した。AIエージェントがインターネット上で安全に識別・認証されるためのインフラストラクチャを目指すもので、DNSがウェブサイトにドメイン名を提供するのと同様の役割をAIエージェントに対して果たす構想だ。
エージェント型AIの普及が進む中で、「このAIエージェントは誰が運営し、何ができるのか」を確認する仕組みは不可欠だが、現状では標準化された枠組みが存在しない。ANSはこの空白を埋す試みとして注目される。
詳細な仕様やローンチ時期については現時点では発表段階に留まっており、今後の動向が期待される。
ソフトバンクの1220億円「AIスパコン」、それでもNVIDIAのGPUを選ぶ理由
ソフトバンクが1220億円を投じたAIスーパーコンピュータについて、開発者が開発の裏側を語った。当初「最初は壊れ過ぎてビビった」と振り返るほどの試行錯誤があったという。
それでもNVIDIA製GPUが選ばれた理由について、開発者はCUDAエコシステムの成熟度と、AIワークロードに対する圧倒的な最適化を挙げている。独自のAIインフラを構築する上で、ハードウェア単体の性能だけでなく、ソフトウェアスタック全体の安定性と開発効率が決定的な要因になったとのことだ。
中国ヒューマノイドロボット市場、出荷台数が前年比約7倍に
野村総合研究所の李智慧氏による分析によると、中国のヒューマノイドロボット市場は量産化フェーズに突入している。出荷台数は前年比約7倍に成長し、世界シェアの約8割を占めるに至った。
異業種企業の参入で本体メーカー数も倍増しており、自動車メーカーや家電メーカー、テック大手がこぞってヒューマノイド分野に進出している。中国政府の政策支援とサプライチェーンの集積が相まって、中国がヒューマノイドロボットの世界生産拠点としての地位を確立しつつある。
「No AI Co-Authors」宣言が物議 ― AIとの協働に背を向ける動き
Hacker Newsで10ポイントを集めた「No AI Co-Authors. A Manifesto」が議論を呼んでいる。AIを執筆の共同作者としてクレジットすることに反対するこの宣言は、創作的活動におけるAIの役割に疑問を投げかける。
同じ時期に「AIを控えめに使う企業の探し方」というHNのスレッドや、「コンテンツライターとして4年間AIと働いてきた」という体験談も注目を集めている。AIの業務利用が一般化する中で、「すべてをAIに任せる」ことへの反発が一部の技術者やクリエイターの間で強まっている。
単なるAI否定論ではなく、「AIを適切に使うが、すべてを委ねない」という立場からの声が目立つのが特徴だ。組織全体にAIを浸透させる CyberAgent のような取り組み(賞金1000万円のコンテストや「AI番付」など)が進む一方で、利用のしかたに対する葛藤もまた現実のものになりつつある。
オープンソース生物医学NERモデル650種以上がMLXで高速動作
OpenMedプロジェクトが、Apache 2.0ライセンスの生物医学固有表現抽出(NER)モデルを650種以上公開した。Apple SiliconのMLXフレームワークで動作し、PyTorch CPUと比較して30〜40倍の高速化を実現しているという。
3年前のMacBook Pro M3 Maxで、434Mパラメータのモデルが27ms(MLX)で推論可能。同じ重み、同じfp32精度で、PyTorch CPUの約1080msと比較して出力結果も完全に一致するとのことだ。医療データの個人情報をオンデバイスで処理できる点も、プライバシー保護の観点から注目される。