Anthropicの新モデル「Fable 5」「Mythos 5」が米政府によって公開中止に
先週末、米政府はAnthropicに対し、最新モデル「Fable 5」と「Mythos 5」の公開を国家安全保障上の懸念を理由に取り下げるよう求めました。背景には、Amazonの研究陣がFable 5のガードレールをバイパスする手法を発見したことがあると報じられています。
この決定に対し、サイバーセキュリティ研究者らは「危険だ」とする公開書簡を発表。Anthropic自身も、同種のジェイルブレイク手法は他のモデルにも存在すると指摘しています。一方で、禁止されたにもかかわらずAnthropicのブランド認知度や市場での関心はむしろ高まっているとも報じられており、規制とブランド影響の複雑な関係が浮き彫りになっています。
この件は、AIモデルの安全性評価プロセスや、国家レベルでのAI規制のあり方が今後の議論の焦点になりそうです。
EU、全24公用語対応のオープンソースAIモデル構築へ — EUROPAコンソーシアム選出
欧州委員会は、フロンティアAIグランドチャレンジの勝者として、イタリアのDomynが率いる欧州コンソーシアム「EUROPA」を選出しました。同プロジェクトは、EU全24の公用語に対応したオープンソースのフロンティアAIモデルを構築することが目標です。
要件として4000億パラメータ以上の規模が求められており、これは世界最先端のAIシステムに匹敵するスケールです。モデルはオープンに公開され、欧州市内のインフラ上で開発される予定で、欧州の「技術主権」の象徴的な位置づけとなっています。
欧州委員会のHenna Virkkunen副委員長は「欧州は独自の条件で先進AIをリードできる」と述べており、開放性と信頼、戦略的自立性を軸にしたAI開発の方針を強調しています。2026年2月に募集が開始されたこのチャレンジは、欧州のAI自前化に向けた重要な一歩と言えます。
ノルウェー、小学校でのAI使用をほぼ禁止
ノルウェーは小学校におけるAI使用を実質的に禁止する規制を導入しました。教育現場でのAI利用を巡っては各国で議論が続いていますが、ノルウェーの対応は特に厳格な方針と言えます。児童の学習発達への影響やプライバシー懸念が背景にあるとみられますが、詳細な規制内容や例外規定については今後の運用次第で大きく変わる可能性があります。
新規TikTokユーザーのフィードの59%がAI生成コンテンツ
Kapwingの調査によると、TikTokの新規ユーザーに配信される「For You Page(おすすめフィード)」の動画の59%がAI生成コンテンツ(AI slop)で占められていることが分かりました。これは、プラットフォームの推薦アルゴリズムがAI生成コンテンツを優先的に配信している可能性を示唆しています。
この数字は、コンテンツ生成の民主化が意図しない形でプラットフォームのエコシステムに影響を与えていることを示しています。ユーザーが人間が作ったコンテンツとAI生成コンテンツを区別することがますます難しくなる中、プラットフォーム側の対応が問われています。
オープンモデルのコスト競争力が急速に向上
コミュニティの議論で注目を集めているのは、オープンウェイトモデルのコストパフォーマンスが閉源モデルに急速に追いついているという観点です。DeepSeek、Qwen、GLM、Kimi、MiniMaxといったモデルが、多くの実ユースケースで「十分に良く、かつ安い」領域を埋めつつあります。
興味深いのは、フロントイアモデルと強力なオープンモデルの性能差よりも、両者のコスト差の方がはるかに大きくなっているという指摘です。APIベースの閉源モデルは依然としてインフラ不要で信頼性が高いという利点がありますが、プライバシー、カスタマイズ性、コスト予測性を重視する用途ではオープンモデルが有力な選択肢になりつつあります。
Relianceが5億ユーザーの通信サービスにAIを統合
インドのReliance Industriesは、5億人以上のユーザーが利用する通信サービス全体にAIを組み込む構えです。ミュケシュ・アンバニ会長は、通話やアプリ、家庭向けサービスのあらゆる場面にAIを統合する方針を示しています。
これは単なる実験ではなく、既存の大規模インフラ上にAIを重ね合わせる実践例として注目に値します。新興国市場でのAI普及が、先進国とは異なるスケールと形態で進む可能性を示しています。