Anthropicが韓国法人を設立、崔キヨン氏が代表に就任

Anthropicは5月26日、韓国市場への本格参入に向け、崔キヨン(KiYoung Choi)氏を韓国代表取締役(Representative Director of Korea)に任命したと発表した。ソウルオフィスは今後数週間以内に正式開設される予定で、上層部が現地を訪問し顧客との面会も行われる。

韓国はClaude.aiにおいて世界で最もアクティブな市場の一つという。Anthropicの最新Economic Indexによると、韓国のClaude利用率は人口規模に対して3.5倍を超え、技術・クリエイティブ分野での活用が突出している。

崔氏はこれまでSnowflakeで韓国ゼネラルマネージャー、Google Cloud、Adobe、Autodesk、Microsoftで各国トップを歴任し、30年以上にわたり韓国・アジア太平洋のテクノロジービジネスを牽引してきた。新体制では韓国特有のClaude活用法を支援するgo-to-market戦略を主導する。

すでに韓国のスタートアップや大手企業はClaudeを使い始めている。法律事務所向けAIアシスタントを提供するLaw&Companyや、最大手通信会社のSK Telecomがカスタマーサポート向けAIモデルをClaudeで構築している。

QualcommとByteDanceがAIチップで提携合意

QualcommはTikTokの親会社であるByteDanceとAIチップに関する提携を結んだ。Bloombergが報じたところによると、QualcommのAI向け半導体がByteDanceのインフラに供給される見込み。

ByteDanceはこれまでNVIDIA製GPUに大きく依存してきたが、米中摩擦による輸出規制の影響で代替調達先を探ってきた。Qualcommとの提携は、AI推論向けプロセッサーの調達多様化という文脈で位置づけられる。

一方Qualcommは、エッジデバイス向けAIチップの強みをデータセンター領域にも拡大する戦略を進めており、今回の提携はその一環とみられる。

Altman・Amodei両CEOがIPO前に雇用脅威論を後退

Fortuneの報道によると、OpenAIのSam Altman氏とAnthropicのDario Amodei氏が、これまで主張してきた「AIが大量の雇用を奪う」という警告を相次いで後退させている。

両社はともにIPO(新規公開株式)を控えており、投資家向けに過度な雇用不安を煽るメッセージが企業価値に与える影響を懸念しているとの観測もある。実際、企業が「自社の技術が雇用を破壊する」と主張しながら投資家に成長を約束する構図は、矛盾としてメディアで指摘され始めている。

AIの雇用影響については依然として専門家の間でも見方が分かれており、両氏の発言修正が実際の技術的判断によるものか、市場向けの戦略的メッセージなのか、注目が集まっている。

法王レオ14世、AI回勅でトールキンを引用

法王レオ14世がAIに関する初の回勅(encyclical)を発布し、その中でJ.R.R.トールキンの「指輪物語」を引用したことが話題になっている。

WIREDの報道によると、このトールキン引用は、テクノロジーの力を正しく理解せずに崇拝してきた「Tech Bros」への痛烈な皮肉として解釈できるという。指輪物語では「一つの指輪」が力の誘惑の象徴として描かれており、AIの力を無批判に礼賛する姿勢への警鐘と受け取られる。

一方でCBCは、回勅がAIに対して規制と透明性の確保を求めていると報じた。法王はAIの課題に「武装解除」の精神で取り組むべきだと訴えている。

富士通が自己進化するマルチAIエージェント技術を開発

富士通は、業務環境の変化に応じて自律的に進化する「自己進化マルチAIエージェント技術」を開発したと発表した。

従来、法改正や仕様変更が続く企業業務でAIエージェントを使い続けるには、専門人材による継続的なチューニングが不可欠だった。富士通の新技術は、この前提を変えるものとしている。複数のAIエージェントが連携しながら、業務フローの変化を検知し、自律的に自身の行動を最適化する仕組み。

実用化の時期や具体的な適用業務領域については、今後の発表を待つ必要がある。

AIマネタイズの「お金の圧迫」が迫る

The Vergeの分析記事によると、AI業界全体でマネタイズの圧力が高まっている。AnthropicやOpenAIといった大手AI企業は、膨大なインフラ投資を回収するため、トークン単価やサブスクリプション料金の見直しを進めている。

「AIトークンの配管問題」という表現で語られるように、課金・従量制御の技術的課題も指摘されている。LagoのようなオープンソースSDKが、LLMのトークンコストをベースにした課金実装を簡素化する試みも出始めた。