Anthropic「Project Glasswing」が1万件超の脆弱性を発見

Anthropicが先月発表したサイバーセキュリティイニシアチブ「Project Glasswing」の最初の進捗報告が公開された。約50のパートナー企業と協力し、Claude Mythos Previewを使って世界の最重要ソフトウェアにおいて1万件以上の高深刻度・致命的脆弱性を発見したという。

Cloudflareだけでも2,000件のバグ(うち400件が高・致命的深刻度)を検出し、Cloudflareのチームは「誤検知率は人間のテスターよりも優れている」と評価している。MozillaもFirefox 150で271件の脆弱性を発見・修正し、これはFirefox 148でのClaude Opus 4.6による発見数の10倍以上にあたる。

特に注目すべきは、オープンソース分野での成果だ。Anthropicは1,000以上のオープンソースプロジェクトをスキャンし、推定6,202件の高・致命的脆弱性を特定。独立系セキュリティ研究機関による検証では、90.6%が真陽性であることが確認された。その一例として、暗号ライブラリwolfSSLに存在していた証明書偽造の脆弱性(CVE-2026-5194)が発見され、既にパッチが適用されている。

ただし、脆弱性の「発見」が容易になった一方で、「修正」の人間的なリソースがボトルネックになっていることも指摘されている。平均して高・致命的バグのパッチ適用には2週間かかっており、一部のメンテナーからは開示ペースの調整を求める声も上がっている。

UK AI Security InstituteはMythos Previewがサイバー演習の全ステップを解決した「初のモデル」であると報告。XBOWも「既存の全モデルを大きく上回る」と評価しており、AIのサイバーセキュリティ能力が質的に新しい段階に入ったことを示している。

Anthropicが300億ドル超の資金調達ラウンドを閉鎖へ

Bloombergの報道によると、Anthropicは来週にも300億ドル超の資金調達ラウンドを閉鎖する見込み。評価額は9,000億ドルを超え、OpenAIを抜いて世界で最も価値の高いAIスタートアップとなる。Sequoia Capital、Dragoneer Investment Group、Altimeter Capital、Greenoaks Capital Partnersが共同リードを務め、各社約20億ドルを投資する計画。Founders FundやGeneral Catalystなど既存投資家も参加する。

CloudflareがAIを理由に従業員の2割以上を削減

CloudflareのCEO Matthew Prince氏が、記録的な売上にもかかわらず従業員の20%以上をレイオフした。Prince氏は「AIが中間管理職やコンプライアンス部門を代替する」と主張しているが、The Decoderの分析によれば、同社は具体的な証拠を示しておらず、利益率の低下と2年間で40%の人員増加を背景にした「従来の効率化施策をAIブランディングで包んだもの」との見方もある。

弁護士がAIの「架空判例」を引用し続ける問題

Scientific Americanが報じたところによると、AIが架空の裁判例を生成し、それを弁護士が法的文書で引用する事例が後を絶たない。法律業界におけるAIハルシネーションの実害が深刻化しており、AIツールの利用ガイドラインの整備が急務となっている。

NTSBがAIによる「死者の声再現」で調査資料を取り下げ

Ars Technicaの報道によると、米国国家運輸安全委員会(NTSB)が、墜落事故の調査資料をもとにAIで死亡したパイロットの声を再現する事例が発生し、該当の調査書類を取り下げた。AI音声クローン技術の倫理的な利用境界が改めて問われる事態となっている。

AIスタートアップの「ARR水増し」が問題に

TechCrunchが、一部AIスタートアップが伝統的な収益指標を恣意的に拡大解釈し、投資家もそれを承知の上で後押ししている実態を報じた。AIバブルを巡る健全性への懸念が高まっている。