OpenAIがChatGPTで広告テストを開始 — 無料版維持へ新たな収益モデル

OpenAIは5月7日、ChatGPTにおける広告表示のテストを開始した。同社は「無料アクセスを維持するための取り組み」と説明しており、広告には明確なラベル付けを行い、回答内容とは独立して表示されるという。プライバシー保護を強調し、ユーザーが広告設定をコントロールできる仕組みも用意されている。

ChatGPTの月間アクティブユーザーはすでに数億人規模に達しており、無料層を維持しながら収益化を図る戦略は、検索エンジンの無料モデルに近い発想だ。ただし、ユーザー体験を損なわないバランスの取り方が今後の鍵となる。AIチャットボットにおける広告モデルは前例が少なく、業界全体が注目する実験と言える。

OpenAIのリアルタイム音声モデルがGPT-5レベルの推論を実現

同じくOpenAIから、3つの新しいリアルタイム音声モデルがAPIで提供開始された。推論型「GPT-Realtime-2」、翻訳特化「GPT-Realtime-Translate」、書き起こし「GPT-Realtime-Whisper」の3モデルで、いずれもリアルタイム処理に最適化されている。

最も注目すべきはGPT-Realtime-2で、OpenAIは「GPT-5レベルの推論能力を持つ」と説明している。テキストベースのモデルと同等の推論を音声対話で実現できれば、カスタマーサポートやリアルタイム翻訳、音声アシスタントなどの応用範囲が劇的に広がる。GPT-Realtime-Translateは70以上の言語に対応し、GPT-Realtime-Whisperはリアルタイムの音声書き起こしを提供する。

ChatGPTに「Trusted Contact」安全機能が追加

OpenAIは同日、ChatGPTに「Trusted Contact(信頼できる連絡先)」機能を追加した。ユーザーが事前に登録した信頼できる人物に対し、ChatGPTが深刻な自傷行為の懸念を検出した場合に通知を送る仕組みだ。オプション機能であり、プライバシーに配慮した設計となっている。

AIチャットボットがユーザーのメンタルヘルスに関与する場面は増えており、こうした安全機能の実装は業界のトレンドと言える。GoogleやMetaも同様の安全対策を強化しており、プラットフォーム責任の在り方が問われている。

EUがAI規制の大部分を延期 — ハイリスク分類の適用は2027年以降に

欧州連合(EU)は、AI規制の簡略化を内容とする「Digital Omnibus on AI」で合意した。ハイリスクAIシステムに対する規制の期限を2027年末〜2028年まで延期し、中小企業に対する要件を緩和する内容だ。ただし、ディープフェイクやAI生成テキストのラベル表示義務は2026年8月の予定通り施行される。また「ヌーディフィケーション(裸体加工)」アプリが明示的に禁止された。

EUのAI Actは世界初の包括的AI規制として注目されてきたが、産業界からの「規制負担が重すぎる」という声に加え、技術の急速な進展に法整備が追いついていない現実が浮き彫りになっている。規制の延期は一時的な猶予に過ぎず、最終的にはより厳格なルールが適用される見通しだ。

IMFが新AIモデルによる金融への「システム的ショック」リスクに警告

国際通貨基金(IMF)は、最新のAIモデルが金融システムに「システム的」なショックを与えるリスクについて警告を発した。FTの報道によると、IMFは特に高頻度取引やリスク評価、信用スコアリングにおけるAIの急速な普及が、予期せぬ連鎖反応を引き起こす可能性を指摘している。

AIが金融市場の大部分の意思決定に関わるようになると、「全員が同じ方向を向く」群衆行動が発生しやすくなるという懸念だ。2008年の金融危機のようなシステムリスクが、AIによって新たな形で再発する可能性について、国際的な監視体制の強化を求めている。

Anthropicが「NL Autoencoders」でLLMの内部表現を自動解釈

Anthropicの研究チームが「transformer-circuits.pub」で発表した最新論文「NL Autoencoders Produce Unsupervised Explanations of LLM Activations」は、LLMの内部表現を自然言語で自動的に解釈する手法を提案している。

従来の機械学習における解釈可能性研究は、人手によるアノテーションに頼る部分が大きかったが、この手法は教師なしでLLMの活性化パターンに自然言語の説明を付与できるという。LLMが「なぜその出力をしたのか」を説明可能にすることは、AIの信頼性と安全性を高める上で重要な一歩だ。Anthropicは解釈可能性の研究に注力しており、この分野のリーダー的存在となっている。