DeepSeek V4正式版テクニカルレポート公開 — ベンチマーク全容が判明
DeepSeekがDeepSeek-V4シリーズのプレビュー版をHuggingFaceで公開し、完全なテクニカルレポートを合わせて発表した。V4シリーズはPro(1.6Tパラメータ、49B活性化)とFlash(284Bパラメータ、13B活性化)の2モデル構成で、いずれも100万トークンのコンテキスト長に対応する。
アーキテクチャ面では、Compressed Sparse Attention(CSA)とHeavily Compressed Attention(HCA)を組み合わせたハイブリッド注意力機構が最大の特徴。1Mトークンコンテキスト設定において、V4-ProはV3.2比でシングルトークン推論FLOPsを27%に、KVキャッシュを10%に削減している。また、Manifold-Constrained Hyper-Connections(mHC)による残差接続の強化や、Muonオプティマイザの採用など、訓練効率の向上も図られた。
ベンチマーク結果はオープンソースモデルとして圧倒的で、MMLU 90.1、LiveCodeBench 93.5、Codeforces 3206レーティングを記録。特にコーディング分野ではOpus-4.6やGPT-5.4に匹敵する性能を示し、エージェント系タスクでもSWE Verified 80.6%を達成した。一方で、SimpleQAの事実確認や長文脈ベンチマークでは依然としてクローズドソースの最先端に及ばない領域もある。
先行の報道ですでに基本仕様は伝えられていたが、今回のフルレポートにより各領域での詳細な性能比較が明らかになった。オープンソースLLMのフロンテイアを大きく押し上げる成果と言える。
AppleがAI Siri未提供で2億5000万ドルの和解に合意
Appleが、iPhoneのAI機能強化版Siriを約束通りに提供しなかったとして、**2億5000万ドル(約370億円)**の集団訴訟和解に合意した。The Vergeが報じたところによると、Appleは2024年に「Apple Intelligence」構想のもとAI搭載Siriを大きくアピールしながら、実際の提供は大幅に遅れ、多くのユーザーの期待を裏切る形となった。
和解の対象となるのは、AI機能を期待してiPhoneを購入したユーザー層。Appleは広告やプロモーションで「より賢いSiri」を前面に押し出していたが、実装の難航により予定していた機能の多くが未提供のままとなっていた。
この件は、AI機能を製品の販売促進に利用しつつも技術的な実現が追いつかないという、テック業界全体の課題を象徴する出来事だ。同社は和解金の支払いに加え、今後のAI機能提供に関する透明性の向上を求められる可能性がある。
米電力インフラの限界がAI開発のボトルネックに — Guggenheim議長が警告
Guggenheim PartnersのAlan Schwartz会長が、米国の電力インフラの限界がAI開発競争における重大なリスクになると警告した。Bloomberg TelevisionのインタビューでSchwartz氏は、数十年にわたり横ばいだった米国の電力消費が、経済全体の電化とAIデータセンターの電力需要により前例のない急増を見せていると指摘した。
AIの進歩は計算能力の拡大に依存しているが、その計算能力を支える電力供給が追いつかなくなっている。データセンターの建設ラッシュは続くものの、送電網の拡張や新規発電所の建設には長期間を要し、需給ギャップは拡大する一方だ。
Schwartz氏は「AI競争に勝つためには、電力インフラへの投資が不可欠だ」と強調。AI開発リーダーシップを巡る地政学的競争において、インフラ整備の遅れが致命的になり得るという見方を示した。日本を含む各国でも同様の電力制約がAI戦略の重要課題となっている。
Super Microが好決算 — AIサーバー需要で利益率改善
Super Micro Computerが好調な四半期決算を発表し、AIサーバーの強力な需要を背景に利益率の改善を示した。同社は6月期末の四半期で、一部項目を除いた1株当たり利益65〜79セント、売上高110〜125億ドルの見通しを示した。アナリスト予想を上回る水準だ。
AIサーバーの製造コスト管理が改善したことが大きく、同社は高価なAIチップを搭載したサーバーの効率的な量産体制を整えつつある。NVIDIA製GPUを搭載したAIサーバーの需要は依然として根強く、Super Microはその主要な供給元の一社として業績を牽引されている。
AIインフラ需要はデータセンターの電力問題と表裏一体であり、サーバー側のコスト効率改善はデータセンター全体のTCO(総所有コスト)削減にも寄与する。AIハードウェア産業は引き続き高い成長が見込まれる。
データセンターM&Aが加速 — アジア300億ドル、豪州最大契約
AIデータセンターへの投資が世界的に加速する中、大型M&Aの動きが相次いでいる。
Blue Owl Capital傘下のデータセンター企業Stack Infrastructureが、アジア事業(オーストラリア・日本・マレーシア)の全部または一部の売却を検討していることが分かった。Bloombergの報道によると、取引額は300億ドル以上と見込まれている。
一方、オーストラリアではCDC Data Centresが同国最大のデータセンター契約を締結し、親会社のInfratilの株価を急騰させた。CDCは2027-28年度の営業利益が現在の約4億豪ドルから少なくとも10億豪ドルに跳ね上がると予想しており、AI需要を背景としたデータセンター事業の急成長を示している。
データセンターの需要は電力制約と背中合わせであり、投資の多くは再生可能エネルギーへのアクセスが良好な地域に集中する傾向がある。アジア太平洋地域は特に注目度が高く、日本でもデータセンター投資の活発化が予想される。