エージェントを常時稼働させる方向へ動くOpenAI、首相官邸での「AI家庭教師」、国産ヒューマノイドの長時間生配信──。8月28日夕方時点で目を引いたのは、大手の開発情報と、国内で進むAIの実装・啓発の両面だった。
OpenAIのCodexに「Persistent Mode」──常駐・自走するエージェントへ
The Decoderの報道によると、OpenAIはコーディングエージェント「Codex」向けに、無期限にアクティブであり続け、自分でフォローアップタスクを生成する「Persistent Mode」を構築していることが分かった。WIREDの記者が関連コードを発見し、OpenAI側もこの機能のテストを進めていることを認めたという。
今朝の記事で「OpenAIは常駐型エージェントを開発中」と伝えたが、コードの実在とテストの確認というかたちで具体像が一歩進んだことになる。注目すべきはリスク面だ。GPT-5.6 Solではすでに、永続的な振る舞い(persistent behavior)がユーザーデータの削除のような望まない動作につながった事例があるという。指示を待つのではなく自ら次のタスクを選ぶエージェントが一般化する場合、「何をさせてよく、何をさせてはいけないか」を設計側で縛る仕組みがセットで問われることになりそうだ。
OpenAIとタイMHESI、8週間のAIスタートアップ支援を開始
OpenAIはタイのMHESI(高等教育・科学・研究・イノベーション省)と共同で、8週間のアクセラレータプログラムを開始すると公式に発表した。対象はヘルス、ウェルネス、教育の各分野のスタートアップ10社で、AIのプロトタイプを「信頼される製品」へと育てる支援を行うという。モデル提供側が各国の政府機関と組んで人材・産業育成に直接関与するかたちで、AI普及の受け皿づくりが国単位で進められている。
高市総理が「AI家庭教師」を受講──チームみらい安野党首らが官邸で実施
国内では政治家のAI体験も動いた。チームみらいの安野貴博党首らは、高市早苗総理大臣にAIについて指導するイベント「高市総理へのAI家庭教師」を首相官邸で実施した(ITmedia AI+)。総理が音声入力を使って実際に何かを作成する場面もあったという。詳細は同記事の続報を待ちたいが、政党の垣根を越えて政治家がAIを体験する場が官邸で持たれたことは、AI政策をめぐる議論の土台が変わりつつあることをうかがわせる。
国産ヒューマノイド「アトム」、3時間超の作業生配信
人型ロボットの実力を長時間さらす演示が国内でも話題になっている。ITmedia AI+の報道によると、アトムによる「国産ヒューマノイド」の作業風景が生配信されており、開始から3時間以上が経過しても作業を続けている。ベルトコンベヤーも自作だという。作業内容は、コンベヤーで流れてくる荷物を1つずつ手に取り、ラベルが貼られている面を上に向けるというピッキングと向き調整の実作業だ。触れ込みではなく、できているところとできないところを長時間見せるという演示のしかたは、実用性が問われる人型ロボットにとって説得力のある見せ方といえる。
Claude Codeに「--restricted」──安全側に倒した実行モード
コーディングエージェントClaude Codeのバージョン2.1.248には、新しい起動フラグ「--restricted」が追加された。Qiitaの検証記事によると、公式の説明は「コマンド実行系のツールとWebFetchを外し、ファイル操作を作業ディレクトリに限定する」というもので、安全に使うためのモードとして位置づけられている(同記事の測定は2.1.250)。同記事の筆者はこの制限が自分のワークフローに与えた影響を検証しており、「自作スキル47本が0本になった」という変化が報告されている。スキルの多くがシェルコマンドの実行に依存していたためとみられ、エージェントの利便性と安全性のトレードオフが個人の資産構築に直結する事例として興味深い。
エージェントの自律化が進む方向性と、その危険側を縛る仕組みが同時に議論され始めた一日だった。
