Brockman証言:Muskは「絶対的支配」を求めていた
Elon Musk対OpenAIの裁判第2週に入り、OpenAI共同創設者のGreg Brockmanが証言台に立った。Brockmanは、2017年夏にMuskがOpenAIの営利化を主導したものの、自身の持分と取締役の多数指名権、CEO就任を要求したと語った。
特に注目を集めたのは、BrockmanとIlya Sutskeverが「全員で均等な持分を」と提案した際の出来事だ。Muskは「I decline(拒否する)」と告げ、テーブルの周りを激しく歩き回った。Brockmanは「彼が自分を殴るのではないかと思った」と振り返っている。Muskはその後、Sutskeverが持ってきたTeslaの絵画を持ち去り、席を立ったという。
Brockmanは「私たちが受け入れられなかった唯一のことは、彼にAGIに対する一方的な絶対的支配を渡すことだった」と陪審員に語った。
Zilis証言:MuskがAltman引き抜きを図っていた
Shivon Zilisの証言も重要な新事実を明らかにした。Zilisは、MuskがまだOpenAIの取締役だった時期に、Sam AltmanをTesla内の新しいAIラボのリーダーとして勧誘しようとしていたと証言した。
また、MuskはAndrej Karpathyに「引き抜き対象のOpenAIトップ人材リスト」の作成を依頼していたことも明らかになった。2018年初め、MuskはZilisに「私がTeslaAIに集中すれば、OpenAIが真の力になる可能性は低い」とテキストメッセージを送っており、OpenAIを離脱する直前の姿勢を示している。
Musk側の弁護士はBrockmanの動機が「貪欲」だと主張し、Brockmanの持分が約300億ドルに達していることや、CerebrasやCoreWeaveなどOpenAIと取引関係のある企業への投資を指摘した。しかしBrockmanは「ミッションを解決することが常に私の主な動機だ」と反論した。
来週はIlya SutskeverとMicrosoftのSatya Nadella CEOが証言する予定で、さらに重要な証言が期待される。
DeepSeekが$45B評価額で初の外部資金調達を模索
中国のAI企業DeepSeekが、450億ドルの評価額で初の外部資金調達を検討していることが報じられた。中国政府が国産AIモデルの支援を強化する中、DeepSeekは資金調達によって競争力を一段と高めようとしている。
DeepSeekはこれまで親会社のHigh-Flyerの資金で運営されてきたが、外部資金の導入は同社の成長戦略の転換点と言える。米中のAI競争が激化する中、中国側のプレーヤーが大規模な資金を確保する動きは注目に値する。
AIネイティブなエンジニア採用 — OpenRoundがLeetCode式評価に一石
Hacker Newsで「Show HN」として公開されたOpenRoundは、AIを使ったエンジニア採用評価プラットフォームだ。従来のLeetCodeスタイルのコーディングテストに代わり、実際のプロジェクトや問題解決をAIを使って行う評価を提供する。
同社は「コーディングテストは面接を通過するのが上手い人を測るものであり、優秀なエンジニアを測るものではない」と主張している。AI環境でうまく仕事をするエンジニアと、単にAI出力をそのまま使う「vibecoder」を区別する評価設計が特徴だ。AIが開発ワークフローに深く組み込まれる中、採用プロセスも変革が求められていることを示す興味深い取り組みである。
ザッカーバーグ発言に見る「AIと雇用」の経済学
Meta CEOのMark Zuckerbergが「AIは仕事を奪わない。むしろ人を雇う理由を作る」と発言し、議論を呼んでいる。この発言を「ジェヴォンズのパラドックス」の観点から分析した日本語記事が注目を集めている。
ジェヴォンズのパラドックスは、技術の進歩で資源の使用効率が上がると、かえって全体の消費量が増えるという現象だ。AIによってソフトウェア開発のコストが下がれば、開発の需要が増え、結果としてエンジニアの雇用も増えるという見方である。直感に反する主張だが、経済学的には一貫したロジックと言える。ただし、短期的な職務の置き換えや、どのようなスキルが求められるかの変化には注意が必要だろう。
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